高卒の平均年収はいくら?大卒との比較と給料の高い職種&年収アップのコツを解説
2025/9/26 更新
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■目次
- 1.高卒の平均年収はどれぐらい?
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2.大卒との平均年収の差は105万円
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・高卒・大卒の社会人1年目の年収
・高卒・大卒の年齢別の年収
・高卒・大卒の生涯賃金
- 3.高卒と大卒で収入差が広がる理由
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・日本はまだ学歴重視の風潮が根強い
・給与水準の高い大手企業は大卒採用が多い
・大学で得た学びや専門知識が評価される
- 4.高卒で高収入を狙える業種
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・インフラ業
・建設業
・金融業・保険業
・情報通信業
・医療・福祉
・製造業
- 5.高卒が年収アップを目指すコツ
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・資格を取得する・専門的な知識を身につける
・大企業や有名企業の中途採用を狙う
・IT系やベンチャー企業でスキルを積む
・学歴より成果主義の職種で稼ぐ
- 6.まとめ
高卒の平均年収はどれぐらい?
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査(※)」によると、高卒の平均賃金(月額)は28万1900円。この金額をもとに年収を単純計算すると、「28万1900円×12ヵ月=338万2800円」となります。
大卒との平均年収の差は105万円
同じく、大卒の平均賃金(36万9400円)から年収を計算すると、「36万9400円×12ヵ月=443万2800円」となり、高卒との年収差は105万円あることがわかります。
また、大卒以外の学歴の平均年収を計算すると、専門学校卒が360万2400円、高専・短大卒が356万8800円、大学院卒が572万400円と、いずれも高卒より高くなっています。こうした傾向から、学歴の違いが年収の差につながっていると考えられるでしょう。
※同調査の平均賃金には、天引きされる前の社会保険料や税金が含まれているため、実際の手取り額はこれよりやや少なく(8割前後)なります。また、平均賃金から算出した年収額には、賞与(ボーナス)や各種手当が含まれていないため、あくまでも参考値となります。
※参考資料/厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
高卒・大卒の社会人1年目の年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の初任給(新規学卒者)のデータをもとに算出した、高卒・大卒の社会人1年目の平均年収は以下の通りです。
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【高卒】初任給(月額)18万6800円×12ヵ月=224万1600円
【大卒】初任給(月額)23万7300円×12ヵ月=284万7600円
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初任給は業種や企業によって異なりますが、社会人1年目の時点で、高卒と大卒の平均年収には約60万円の差がついていることがわかります。その後、高卒と大卒の年収差は年齢とともにどう変化していくのか、次項で詳しく見ていきましょう。
高卒・大卒の年齢別の年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに算出した、高卒・大卒の年齢階層別の平均年収は以下の通りです。
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【20~24歳】高卒/259万4400円 大卒/287万6400円 ●年収差28万2000円
【25~29歳】高卒/288万8400円 大卒/327万1200円 ●年収差38万2800円
【30~34歳】高卒/310万2000円 大卒/370万8000円 ●年収差60万6000円
【35~39歳】高卒/332万1600円 大卒/424万9200円 ●年収差92万7600円
【40~44歳】高卒/352万800円 大卒/473万6400円 ●年収差121万5600円
【45~49歳】高卒/372万4800円 大卒/517万800円 ●年収差144万6000円
【50~54歳】高卒/383万6400円 大卒/568万2000円 ●年収差184万5600円
【55~59歳】高卒/387万円 大卒/598万9200円 ●年収差215万9200円
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上記のように、高卒も大卒も年齢とともに年収が増えていきますが、年齢が上がるほど年収差は大きくなっていきます。こうした点から、高卒は大卒と比べて、年収が増えにくい傾向にあることがわかります。
高卒・大卒の生涯賃金
では、生涯を通してもらえる賃金は、高卒と大卒でどれぐらいの差があるのでしょうか。独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022」によると、高卒と大卒の平均的な生涯賃金(生涯年収)は以下の通りです。
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【高卒】男性/約2億1000万円 女性/約1億5000万円
【大卒】男性/約2億6000万円 女性/約2億1000万円
※学校卒業後、フルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの賃金総額(退職金は含めない)
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高卒と大卒で収入差が広がる理由
ここまで見てきたように、学歴は年収を左右する大きな要因となっています。では、高卒と大卒の収入差が広がってしまうのはなぜなのか、その理由について解説します。
日本はまだ学歴重視の風潮が根強い
ここ近年、学歴社会の風潮は薄まりつつありますが、それでも一部の大手企業や有名企業では、学歴を重視する社風が根強く残っています。高卒と大卒では初任給が異なる企業も多く、大卒の方が昇給・昇進のスピードが早い、高給な役職に就きやすいといった傾向も見られます。
給与水準の高い大手企業は大卒採用が多い
企業によっては求人の応募資格を「大卒以上」としており、高卒ではエントリーすらできないことも少なくありません。とくに給与水準の高い大手企業は、大卒を優先して採用する傾向があるため、高卒と大卒との年収差がますます広がってしまうのです。
大学で得た学びや専門知識が評価される
一定レベルの大学を卒業したという事実は、必要な単位を取得して学びを得たという証明になります。つまり、「大卒=一定の知識や能力がある」という客観的な指標となるため、採用する企業側も「仕事で活躍が期待できる優秀な人材」として高く評価するのです。
また、高収入を得られる専門職(医師、薬剤師など)の資格を取得するためには、「大学で専門知識を学んで卒業すること」が条件となる点も、高卒が高収入を得にくい理由といえるでしょう
高卒で高収入を狙える業種
ここまでは高卒と大卒の年収差を見てきましたが、働く業種によっても年収は異なってきます。したがって、高卒で高収入を狙うなら、給与水準が高い業種への就職・転職を検討するのもいいでしょう。
具体的な業界を以下で紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
インフラ業
インフラ業界とは、電気・ガス・水・通信・道路・鉄道などの社会や人々の生活を支える業界を指します。インフラ設備の工事や修繕、サービスの提供などさまざまな仕事がありますが、安定した需要や高い平均年収が期待できることが魅力です。高卒での就職は、大卒者に比べて難易度は上がりますが、専門性を高めることで十分に就職のチャンスはあります。スキルや専門知識をアピールするために関連する資格を取得したり、就職支援サービスを利用したりすることで就職活動を有利に進められるでしょう。
建設業
大工やクレーン運転工、配管工などさまざまな業種がある建設業ですが、高卒でも安定した収入が得られる業界です。他の業界と比較しても初任給が高めに設定されていることも多く、良い条件でのスタートが切れます。体力勝負の面もあるため、若いうちから現場経験を積み、玉掛け技能講習などの資格を取得することでキャリアアップを狙えます。
金融業・保険業
金融業・保険業は安定した収入が得られる業界です。大手の銀行や都市銀行は短大卒以上を応募条件としていることが多いため、高卒で銀行員を目指す場合は、第二地方銀行や信用金庫など中小規模の銀行を目指すのがおすすめです。
また保険会社での保険営業では、学歴より個人の熱意やポテンシャルが重視されるため、高卒でも活躍できます。目標を達成したときにインセンティブが支払われる仕組みの会社で働けば、営業成績が良いほど年収もアップするでしょう。
情報通信業
情報通信業とは、通信や情報サービスを提供する事業(テレビ局、ソフトウェア開発、ゲームソフト開発など)を指します。特にIT業界は学歴よりもスキルや経験が重視されるため、高卒でも就職が可能であり、比較的高い年収が狙える業界です。
プログラマーやITエンジニアなどは未経験からでも挑戦しやすいため、若いうちから専門スキルの習得や実務経験を積むことで年収アップが期待できるでしょう。
医療・福祉
医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士など幅広い職種がある医療・福祉業界。高齢化社会の進展により、今後ますます需要が高まると言われています。安定した収入を得やすい医療事務や医療機器の営業、メンテナンスなど専門知識が必要となる職種もありますが、高卒でも活躍できる可能性があります。
介護職や社会福祉士は、学歴不問で挑戦できる職種です。資格を取得することで、さらに専門的な仕事に就き、年収アップの可能性も高まります。
製造業
学歴不問、未経験者歓迎の求人が多い製造業は、高卒でも十分活躍できる業界です。夜勤手当などがあるため、他業界と比べても製造業は収入が高い傾向にあり進学はせず就職をしてしっかり稼ぎたい方にもおすすめです。特に大手企業や成長企業では、高卒でも比較的高い給与を設定していることが多いため安心して働けるでしょう。
ライン作業や検査・検品などさまざまな仕事があるため、自分に合った仕事を探してみましょう。
高卒が年収アップを目指すコツ
また、スキルの積み上げやキャリアチェンジで、高卒でも大卒に劣らない年収を得ることは可能です。ここからは、高卒者が年収アップを目指すコツを紹介します。
資格を取得する・専門的な知識を身につける
仕事に役立つ資格を取得したり、専門性の高い知識を身につけることで、就職・転職市場で自身の価値が上がり、学歴を問わず高収入の職種に就きやすくなります。また、企業によっては資格手当が支給されますので、その分だけ収入もアップします。
学歴はすぐに変えられませんが、今からでも資格の取得や専門知識を身につけることは可能です。まずは、就きたい仕事に必要な資格やスキルを確認してみましょう。
大企業や有名企業の中途採用を狙う
大企業や有名企業は、給与水準が比較的高い傾向にあります。新卒採用では学歴を重視する企業が多いものの、中途採用では学歴よりも実務経験やスキルを求める傾向が強まります。そのため、現在の仕事で実務経験を積み、即戦力となるスキルを身につけることで、大企業に転職して高収入を得るチャンスは十分にあるでしょう。
IT系やベンチャー企業でスキルを積む
IT系やベンチャー企業は、学歴よりも本人の意欲やスキルを評価する企業が多く、職種によっては未経験でも採用されやすいのが魅力です。仕事においても実力主義の企業が多いため、コツコツとスキルを積んで成果を上げれば、年収アップ&キャリアアップも目指せるでしょう。
学歴より成果主義の職種で稼ぐ
仕事の成果がそのまま給与に反映される職種は、本人の努力次第で高収入を得ることが可能です。たとえば、出来高によるインセンティブ制度を採用する営業職は、学歴に関係なく稼げる仕事のひとつです。とくに不動産・保険業などの営業職は、給与に占めるインセンティブの比率が高く、売上に応じて収入もグンとアップします。ただし、完全実力主義の職種なので、売上がなければ収入が減るというリスクもあります。
まとめ
今回ご紹介したように、高卒は大卒と比べて給与水準が低く、年齢とともに大卒との年収差が広がりやすいのも事実です。
しかし、仕事に役立つ資格やスキルを身につけることで、高卒でも高収入を狙える可能性は十分にあります。学歴を問わない実力主義の職種に就いて、経験と実績を積みながらしっかり稼ぐという選択肢もあるでしょう。
現在の収入に不満や不安がある、さらなる高収入を狙いたい……という高卒の人は、将来を見据えた転職やキャリアチェンジを検討してみてはいかがでしょうか。
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