CADオペレーターとは?仕事の魅力や向いている人の特徴、おすすめの資格などを解説
2025/9/30 更新
CADオペレーターは、CADソフトを操作して設計図を作成・修正する専門職です。しかし、具体的な仕事内容をイメージできない人もいるのではないでしょうか。今回は、CADオペレーターの仕事の魅力や向いている人の特徴、おすすめの資格などをわかりやすく紹介します。
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■目次
- ●CADオペレーターとはどんな仕事?
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・CADオペレーターと設計者の違い
- ●CADオペレーターの代表的な職種
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・機械CADオペレーター
・建築CADオペレーター
・土木CADオペレーター
・内装CADオペレーター
- ●CADオペレーターの仕事内容
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・CADソフトを使った作図
・図面データの修正
・図面のデータ管理
- ●CADオペレーターの平均年収
- ●CADオペレーターの魅力
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・自分の仕事が実物として残る
・専門スキルでキャリアを築ける
・幅広い分野で活躍できる
- ●CADオペレーターに向いている人の特徴
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・細かい作業が得意で丁寧
・集中力を長く保てる
・パソコンやデジタルツールに抵抗がない
- ●CADオペレーターになるためにおすすめの資格
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・建築CAD検定試験
・CAD利用技術者試験
・Vectorworks操作技能認定試験
- ●未経験からCADオペレーターに就職する方法
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・資格を取得してスキルをアピールする
・研修制度が整っている企業を選ぶ
・CADオペレーターの求人が多い転職サイトを使う
- ●まとめ
CADオペレーターとはどんな仕事?
CADオペレーターとは、CAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計)ソフトを使い、設計担当者やデザイナーの指示に従って設計図や図面を作成・修正・管理する仕事です。
製造や施工現場と設計段階をつなぐ重要な橋渡し役として、チームの中でサポート的な役割を持っています。
CADオペレーターと設計者の違い
CADオペレーターと設計者の主な違いは、「設計の方向性を決める立場か」「設計した内容を図面化する立場か」という点にあります。
| 項目 | CADオペレーター | 設計者 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 指示に基づき図面を作成・修正 | 製品や建築物などの設計・仕様の決定 |
| 仕事内容 | 図面作成、データ管理 | 基本設計、詳細設計、コスト検討 |
| 必要スキル | CAD操作スキル、製図知識 | 専門的設計知識 |
一般的に、設計自体のアイデアや方針を決定するのが設計者、その内容を具体的な形としてパソコン上で図面化するのがCADオペレーターと覚えておくとよいでしょう。
CADオペレーターの代表的な職種
CADオペレーターは、さまざまな分野で活躍する職業です。ここでは、代表的な4つの職種のCADオペレーターを紹介します。
機械CADオペレーター
機械CADオペレーターとは、自動車・家電・精密機械などの機械分野で、CADソフトを使って各種部品図や組立図、加工図などを作成する職種です。
主な仕事内容は、設計担当者のラフ図や仕様書に基づき、部品図や組立図などの精密な図面を作成することです。
機械CADオペレーターは、自動車メーカーや産業機械メーカーの開発部門に多く配属されています。
建築CADオペレーター
建築CADオペレーターとは、建築分野で設計者の指示や設計図をもとに、CADソフトを使ってさまざまな建築図面を作成・修正する職種です。
設計者が作成したラフスケッチや仕様書をもとに、平面図や立面図、断面図などの各種図面を建築基準法に照らし合わせて作成します。
建築CADオペレーターは、建築設計事務所やゼネコン、ハウスメーカーなどで活躍しています。
土木CADオペレーター
土木CADオペレーターとは、道路や橋梁、トンネルなどの公共インフラや土木構造物の設計図を作成・修正する職種です。
土木設計者の指示やスケッチをもとに、道路、橋、トンネルなどの詳細図面や施工図をCADで作成します。
土木CADオペレーターは、ゼネコンの土木部門や建設コンサルタント会社、土木設計事務所などに活躍の場があります。
内装CADオペレーター
内装CADオペレーターとは、インテリアデザイン会社や家具メーカーなどで、室内空間の設計図面や3Dパース作成を担当する職種です。
内装デザイナーの指示に基づき、家具の配置や照明計画など室内空間デザインの図面や3Dモデルを作成します。
内装CADオペレーターは、インテリアデザイン事務所や家具メーカー、建築設計事務所など幅広い現場で活躍しています。
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CADオペレーターの仕事内容
CADオペレーターの業務は作図や修正などに分かれています。ここでは、CADオペレーターにおける仕事内容を3つ解説します。
CADソフトを使った作図
CADオペレーターは、CADソフトを使って設計者の指示に基づき、建物や機械などの設計図を作成します。
CAD作図の主な手順は、以下のとおりです。
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CAD作図の主な手順
1.ソフト起動
2.基本形状の作成
3.寸法記入
4.注釈追記
5.詳細加工
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2Dの場合は線や円などの基本図形を用い、3Dの場合は立体形状のモデルを作成します。
図面データの修正
CADオペレーターは、設計者やデザイナーの指示のもと、既存の図面データの修正や調整を行う業務を担っています。
例えば、仕様変更や設計ミスの修正、寸法の追加など、プロジェクトの進行に合わせて細かな修正依頼に柔軟に対応します。
修正内容を正確に反映し、何度も微調整を繰り返しながら完成度を高めていくことが重要です。
図面のデータ管理
CADオペレーターの図面データ管理業務は、作成・修正した図面のファイルを整理し、常に最新データが適切に運用されるよう管理することです。
例えば、バージョンごとに図面を分類・記録し、誤ったデータが現場や関係者に出回らないよう配慮します。
また、必要時にすぐ図面を確認できる状態に保つことで、設計変更やトラブルに迅速対応できる体制を作ります。
CADオペレーターの平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、CADオペレーターの平均年収は453.8万円となっています。
上記は雇用形態や地域、経験年数によって変動があり、正社員の他に派遣やフリーランスも含まれます。
CADオペレーターの魅力
CADオペレーターの仕事に興味があるものの、どんな魅力があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは、CADオペレーターの魅力を3つ紹介します。
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CADオペレーターの魅力
・自分の仕事が実物として残る
・専門スキルでキャリアを築ける
・幅広い分野で活躍できる
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自分の仕事が実物として残る
CADオペレーターの大きな魅力は、自分が作った図面が実際の建物や製品など実物として形に残る点です。設計者のアイデアを図面という形で具体化し、その成果が建物や機械となって完成することで、自分の仕事が後世に残る達成感ややりがいを味わえます。
また、プロジェクトが完成した際に現場や実社会で目に見える形となって残るため、やりがいを感じやすい仕事でもあります。
専門スキルでキャリアを築ける
専門的なスキルを高めることで多様なキャリアパスを築ける点も、CADオペレーターの魅力の一つです。
2D/3D CADなどの技術を極めることで、設計士やプロジェクトリーダーなど専門性を活かしたポジションを目指すことができます。
また、業務内で培ったスキルや経験は建築・製造業界のみならず、ITやプロダクトデザイン領域でも需要が高く、キャリアの幅が広がります。
幅広い分野で活躍できる
CADオペレーターは、建築、土木、機械、内装など、幅広い専門分野で活躍できる職業です。
例えば、建築では建築基準法に基づく図面作成、機械分野では製造工程に使う詳細図面を作成します。
このように多様な業界に関われるため、自分の適性や興味に合わせて働き方を選べるのがCADオペレーターの魅力です。
CADオペレーターに向いている人の特徴
ここからは、CADオペレーターで働くのに向いている人の特徴を3つ紹介します。
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CADオペレーターに向いている人の特徴
●細かい作業が得意で丁寧
●集中力を長く保てる
●パソコンやデジタルツールに抵抗がない
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細かい作業が得意で丁寧
CADオペレーターに向いている人の特徴として、細かい作業が得意で丁寧な性格の人が挙げられます。
図面はミリ単位の精度が求められ、一箇所のミスが全体に影響を与えることもあるため、集中力と注意力が不可欠です。
また、設計者の意図を正確に読み取る読解力やコミュニケーション能力も求められ、細かい指示や修正にも柔軟に対応できることも重要視されます。
集中力を長く保てる
CADオペレーターに向いている人の特徴の一つに、高い集中力を長時間保てることがあります。
CAD作業は細かく正確さが求められ、長時間同じ画面と向き合い続ける根気が必要です。
集中力が高い人は、細部にまで注意を払えてミスを減らしながら効率的に仕事を進められる傾向にあるため、CADオペレーターに適しているといえます。
パソコンやデジタルツールに抵抗がない
CADオペレーターに向いている人の特徴の一つは、パソコンやデジタルツールに抵抗がないことです。
CADは基本的にパソコン上の専門的なソフトを使って図面作成業務を行うため、普段からパソコン操作に慣れている人や新しいデジタルツールの習得に前向きな人が適しています。
また、デジタル操作に抵抗がなければ、スキルの習得が早く、仕事を楽しみながら効率よく進められるでしょう。
CADオペレーターになるためにおすすめの資格
CADオペレーターを目指す上で、資格の取得も有効な手段となります。ここでは、CADオペレーターになるためにおすすめの資格3つを紹介します。
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CADオペレーターになるためにおすすめの資格
●建築CAD検定試験
●CAD利用技術者試験
●Vectorworks操作技能認定試験
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建築CAD検定試験
建築CAD検定試験とは、建築図面をCADソフトで作成する能力を測る実践型の民間資格試験です。
試験は実技中心で、設計者の描いたラフスケッチや建築図面を一定時間内に正確に作図する技能が問われます。
主要な試験ソフトはAutoCADやVectorworksなどの汎用CADで、建築業界で広く使われているソフトを対象としています。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験とは、CADを使った設計・製図能力を証明する代表的な民間資格です。
2次元CAD利用技術者試験と3次元CAD利用技術者試験の2種類があり、それぞれ複数のグレード(基礎、2級、1級など)があります。
2次元試験は初心者から受験可能で、実際の図面を正確に読み解きCADで作図する技能を問われます。
Vectorworks操作技能認定試験
Vectorworks操作技能認定試験とは、CADソフトの一種であるVectorworksの操作技術を客観的に評価・認定する資格試験です。
試験にはベーシック認定試験とマスター認定試験があり、2D・3Dの基本操作やRenderworksの基本機能について出題されます。
この資格は建築、インテリア、機械設計など幅広い分野でVectorworksスキルを証明できるため、就職やキャリアアップにも役立ちます。
未経験からCADオペレーターに就職する方法
転職を考えている人の中には「CADオペレーターは未経験だけどチャレンジしてみたい」と感じている人も少なくないでしょう。ここでは、未経験からCADオペレーターに就職するコツを3つ解説します。
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未経験からCADオペレーターに就職する方法
●資格を取得してスキルをアピールする
●研修制度が整っている企業を選ぶ
●CADオペレーターの求人が多い転職サイトを使う
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資格を取得してスキルをアピールする
CADオペレーターの資格は必須ではありませんが、資格を持つことで専門知識やスキルを証明でき、就職や転職で有利になります。
未経験の人におすすめの資格はCAD利用技術者試験です。独学でも挑戦しやすく、未経験者がスキルを身につけるための入口として適しています。
取得できれば2次元CAD操作の基礎や実務的な技能を評価されるため、就職へのアピール材料となるでしょう。
研修制度が整っている企業を選ぶ
未経験からCADオペレーターに就職するには、研修制度が整っている企業を選ぶことが重要です。
企業内研修では、自社で使うCADソフト操作や図面の読み書き、トレースの方法など基礎から学べるため、未経験者でも安心して仕事に入れます。
また、未経験者向けの研修や無料講座を提供し、資格取得支援も受けられることが多いため、CADオペレーターとしてスキルアップを目指せます。
CADオペレーターの求人が多い転職サイトを使う
未経験からCADオペレーターへの転職を目指すなら、CADオペレーターに強い転職サイトの活用は必須です。
日総工産<工場求人ナビ>では、未経験からでも挑戦できるCADオペレーターのお仕事を多数紹介しています。気になる人は、以下のリンクから求人をチェックしてみましょう。
また、日総工産を通して働くスタッフのインタビューも掲載しています。CADオペレーターの仕事に興味がある人は、あわせてご覧ください。
まとめ
CADオペレーターの仕事は、機械、建築、土木、内装など幅広い分野で活躍できます。
未経験でも資格を取得したり、求人の多い転職サイトを使うことで転職は可能です。
これらのポイントを押さえた上で計画的にスキル習得と就職活動を進めれば、未経験者でもCADオペレーターとしてのキャリアをスタートできるでしょう。
