期間工は大卒も採用される? 期間工の雇用契約や待遇を解説します!
2024/5/20 更新
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■目次
- 1.期間工として働いている人の学歴は?
- 2.期間工のAさんとBさんが正社員に応募した場合
- 3.期間工は契約社員、派遣社員のどっち?
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・期間工の特徴
・派遣社員の特徴
- 4.期間工のほうが、正社員よりしっかり稼げる!
- 5.期間工の最大の魅力は、手厚い“手当”にあり!
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・入社祝い金
・満了金
——満了慰労金
——満了奨励金
- 6.期間工ならではの、7つの“充実制度”もチェック!
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・期間工の充実制度① 住みこみで働ける「寮制度」
・期間工の充実制度② 実質的賃上げの「食事手当(食事補助)」
・期間工の充実制度③ 期間工経験者に支給される「経験者手当」
・期間工の充実制度④ 1カ月、無休職の人に支給される「皆勤手当」
・期間工の充実制度⑤ 賃金の25%以上が割増される「深夜手当」
・期間工の充実制度⑥ 割増率が25%以上になる「時間外手当」
・期間工の充実制度⑦ 扶養者がいる人の「家族手当」や、「女性向け制度」も
期間工として働いている人の学歴は?
メーカーでは今日もたくさんの期間工が働いていますが、多くのメーカーでは採用基準を特に設けていないことが多いため、最終学歴が中学卒業、高校卒業、大学卒業を問わず、働く意欲さえあれば誰もが期間工として働けます。
逆に、大学を卒業している人に特別な待遇や手当を用意することもありませんし、中学卒業が最終学歴であっても業務に問題はありません。このように最終学歴、性別、職歴、年齢の有無に関係なく、採用時は横並びでスタートできる点が期間工の魅力といえるでしょう。
また、「正社員登用制度」を用意するメーカーが、期間工を正社員に登用するかしないかを判断する一般的な基準は、業務中の勤務態度や実力、真面目さなどの総合的な判断によります。ここにも学歴が大きく影響することはあまりないと考えてよいでしょう。
期間工のAさんとBさんが正社員に応募した場合
最近は人手不足の解消や優秀な人材確保のため、雇用期間満了を迎えた期間工を対象とした「正社員登用制度」を用意している企業やメーカーも増えています。実際に、期間工として真面目に2年以上働き、契約満了時に憧れの大手メーカーで正社員に登用されるケースも増えています。
ここでは、駆動システム(エンジン系)を取り扱う大手自動車メーカーの工場で、ともに仕事熱心なAさんとBさんの2名の25歳の男性が同じ業務に就いていた例を取り上げましょう。
AさんとBさんは自動車メーカーで期間工として働くうち「できることならずっとここで働きたい」と考えるようになり、1年に一度実施される大手自動車メーカーの正社員登用制度に応募します。ただし、このときの採用枠は1名でした。
結果として会社は、Aさんを正社員に登用することを決定します。
ただし、このケースではAさんの最終学歴が大学卒業だったことが決め手になったわけではありません。BさんもAさんもともに勤務態度に問題はなかったのですが、即戦力の観点から、大学で機械システム工学を専攻していた専門性やスキルが評価され、Aさんに軍配が上がることになったのです。要するに、ポテンシャルが高い人を正社員として迎え入れたいという企業側の思いにAさんが合致したといえます。
とはいえ、「正社員登用制度」を用意する多くのメーカーでは、中学・高校・大学・専門学校卒業にかかわらず、すべての人が公平に正社員に応募するチャンスが提供されていますし、正社員に登用するか否かの選考基準は、あくまで期間工として働いていたときの勤務態度や実力によるところが大きいといえます。
このように、勤務態度や勤務実績が認められた期間工であれば、最終学歴、性別、職歴、年齢、経験の有無に関係なく社内試験を受けることが可能なため、「一度就職したけれど異分野の企業で働きたい」「異業種の企業に転職してキャリアアップを図りたい」と考えている人は、「正社員登用制度」のあるメーカーで期間工から始めてみるのもキャリアアップを考えるうえでひとつの有効な手段になることでしょう。
期間工は契約社員、派遣社員のどっち?
期間工とは、雇用契約の最長期間が2年11カ月までと労働基準法で定められたメーカーに直接雇用される有期雇用の「契約社員」を指します。時給・手当・期間などの待遇や条件は雇用契約時にメーカーから提示され、給与もメーカーから直接支給されます。
一方の「派遣社員」は、派遣会社に登録後に派遣会社の指示を受けてメーカーなどに派遣される人のことを指します。時給・手当・期間などの待遇や条件は派遣会社との契約に準じますし、給与は派遣会社から支給されます。
少しややこしいので、工場ワーカーの「期間工」「派遣社員」の違いを整理しましょう。
■期間工の特徴
・その工場を所有するメーカーなどに直接雇用される契約社員
・賃金は時給計算が多く、そのほか深夜・休日出勤手当などがもらえる
・期間工特有の「入社祝い金」「満了慰労金」「報奨金」などが支給される
・正社員と同等の待遇を用意しているところが多い
・正社員同様の社会保険や雇用保険に加入できる
・期間工用の寮を用意しているところも多く、入寮することで生活費を節約できる
■派遣社員の特徴
・派遣会社に登録したうえで、メーカーの現場に出向く臨時契約社員
・時給は高い傾向にある
・賃金は派遣会社から支給される
・社会保険などの福利厚生や休日等の待遇面は、派遣会社の規定に基づく
期間工のほうが、正社員よりしっかり稼げる!
働くからにはやっぱり年収(時給)が気になりますが、一般企業の正社員と期間工の平均年収を比較すると、その違いは下記のようになり、正社員より期間工のほうが稼いでいるケースも珍しくありません。
■ 20〜40歳の正社員 → 平均的な年収 約450万円
■ 期間工(期間従業員) → 諸手当を含めた平均年収 約500万円
でもなぜ、雇用期間が定められているとはいえ、正社員より期間工のほうが稼げるのでしょうか。その理由はさまざまありますが、「入社祝い金」「満了慰労金」「報奨金」などのまとまった金額の手当が支給されることが、年収を押し上げる大きな要因になっています。
期間工の最大の魅力は、手厚い“手当”にあり!
期間工といっても、3カ月、6カ月の短期間から、1年または2年、人によって働く期間(雇用期間)はさまざまです。
一方の雇用側(企業やメーカー)にすれば、「仕事を覚えてもらって安定的に働いてほしい」「安定的に人材を確保したい」という思いがあるため、長期間働いてもらえるようさまざまな手当を用意しています。
入社祝い金
メーカーや企業と雇用契約を締結した段階で支給されるのが「入社祝い金」です。「入社祝い金」の支給金額は企業によって異なりますが、40万円〜50万円ほどのまとまった金額が支給されるケースも多くなっています「わが社の一員になってくれてありがとう!」「これから一緒にがんばろう!」という感謝の思いが込められている「入社祝い金」は、年齢、学歴、経験、性別に関係なく期間工に支給されます。
満了金
満了金は、別名「満了慰労金」と呼ばれ、期間工としての雇用期間が満了した時点で支給される手当を指します。満了金の支給額はメーカーや企業によって異なりますが、長く働くほど支給額が増えることが一般的です。
また、満了金には「満了慰労金」と「満了報酬金(奨励金)」の2つがあり、それぞれの違いは次のようになっていて、トヨタ自動車の組立工場で3年弱の勤務期間を満了した期間工のなかには、満了慰労金や満了報酬金の合計支給額が最大300万円にのぼった例もあります。
——満了慰労金
契約期間満了時や契約更新時に支給されるも満了慰労金には100万円以上が
支給されるケースもあり、手厚い満了慰労金を支給することで知られるスバル自動
車では、期間満了時の満了慰労金の支給額が120万円以上にのぼります。
4〜5年ほど勤務した後に退職した正社員の場合、大手企業であっても退職金は
支給されないことが多いのですが、最近は雇用期間が定まっている期間工に、退職
金ともいえる「満了慰労金」を支給する工場や企業が増えています。
まとまった額の満了慰労金や満了報酬金が稼ぎ(年収)を押し上げる要因になって
いて、期間工にとって「満了慰労金」は大きな魅力になっています。
——満了奨励金
契約期間満了時に、その期間工の勤怠などを考慮して支給されるボーナスやインセ
ンティブを「満了報酬金」または「満期奨励金」と呼びます(名称は企業やメーカー
によって異なります)。
ただし、「満了報酬金(奨励金)」は、無遅刻、無欠勤、無早退、無休職の期間工に
基本的に支給されるため、1日でも遅刻や早退などがあれば報酬金を受給でき
ないこともありますし、支給額が減額されることもあります。
また、メーカーによって支給規定や基準は異なるものの、基本的に無遅刻、無欠勤、
無早退などが満了報酬金の支給基準になるため、「満了報酬金(奨励金)」がある
場合は、支給対象から外れないよう定や基準を確認しておきましょう。
期間工7つの“充実制度”もチェック!
「入社祝い金」「満了慰労金」「満了報酬金(奨励金)」のほかにも、期間工を募集しているメーカーでは手厚い手当をはじめ、制度(福利厚生)などを充実させることで、従業員が働きやすい環境を整えています。一例をあげるだけでも、以下のような魅力があります。
期間工の充実制度① 住みこみで働ける「寮制度」
期間工として働く人の生活費が最小限で済むよう、寮費無料、水道光熱費無料などを用意するメーカーも多くなっています。
期間工の充実制度② 実質的賃上げの「食事手当(食事補助)」
出勤日1日につき「食事手当て(食事補助)」を支給する工場も最近は増えています。また、食堂を完備する大規模工場で期間工として働いた場合は、バランスの取れた食事を安価で利用することができます。
期間工の充実制度③ 期間工経験者に支給される「経験者手当」
初めて期間工として働く人向けに「未経験者歓迎」を募集条件に掲げるメーカー・企業も増えていますが、逆に、これまでに期間工として働いた経験がある人に「経験者手当て」を支給するケースもあります。支給額や基準の条件は企業やメーカーごとに異なりますので、一度でも期間工として働いたことがある人は、規定を確認するようにしましょう。
期間工の充実制度④ 1カ月、無休職の人に支給される「皆勤手当」
「皆勤手当」は一般的にその月に一度も休まなかった無休職・無欠勤の期間工に支給されます。ただし、企業やメーカーによっては無休職・無欠勤だけでなく、無遅刻・無早退も「皆勤手当」の支給基準になる場合があります。
期間工の充実制度⑤ 賃金の25%以上が割増される「深夜手当」
2交替制や3交替制を敷き、24時間稼働する工場では、「時間外手当」のほか、22時~翌5時のシフトで働いた人に「深夜手当」が支給されます。「深夜手当」は労働基準法第37条の規定に則り、割増率は基準となる賃金の25%以上になります。
期間工独自の充実制度⑥ 割増率が25%以上になる「時間外手当」
「時間外手当」は一般的に、8時~17時20分以外の所定労働時間に勤務した際の手当を指します。こちらも「深夜手当」と同様に、割増率は基準賃金の25%以上となります。
期間工独自の充実制度⑦ 扶養者がいる人の「家族手当」や、「女性向け制度」も
最近では、扶養者がいる期間工に、福利厚生の一環として「家族手当」を支給するメーカー・企業も最近は増えています。さらに、重い荷物の搬出業務をロボット化するなどオートメーション化が進む工場では、小型フォークリフトを巧みに扱い、重い商品や大型梱包物のピックアップする仕事に女性が従事していることも珍しくありません。なかには男性より女性のほうが多く働く工場や製造現場もたくさんあります。
そうした工場では、福利厚生の一環として「生理休暇」など女性向けの制度を充実させていることが多いので、女性が期間工に応募する際は、女性向けの福利厚生についてもぜひチェックしてみましょう。
——「1年で100万円貯める!」「2年で300万円貯める!」という目標を定めて期間工として働き始め、夢を叶える人もたくさんいますが、今回ご紹介したとおり、期間工に用意されたさまざまな制度や手当を利用すれば、そうした夢も決して実現不可能ではありません。
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