技術職の仕事内容とは?種類や向いている人、未経験から転職する際のコツを解説
2025/7/31 更新
技術職は、専門知識を生かしてものづくりに携わる仕事です。一方で、「技術職」と聞いても、具体的な仕事内容をイメージしにくい人も多いかもしれません。今回は、技術職とは何かを解説したうえで、仕事内容や種類、向いている人の特徴などをわかりやすく紹介します。
技術職とは何をする仕事?
技術職とは、数学・工学・情報工学などの専門知識を生かし、「ものづくり」に関わる仕事です。
自動車や家電などの製造業だけでなく、IT、建築、化学、インフラ、プラントなどさまざまな業界で必要とされています。
主な業務としては以下のようなものがあります。
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技術職の業務例
●製品の開発・設計
●製造工程の構築・管理
●品質管理や保守・メンテナンス
●新技術の研究
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具体的には、新しい製品のアイデアを形にしたり、生産ラインの設計や効率よく製品を作る仕組みを整えたりする仕事です。
技術職は自動車や家電など、私たちの身近な製品の開発・製造を支える重要な職種であり、日本の産業の根幹を担っています。
技術職と技能職の違い
技術職と似た言葉に「技能職」があります。主な違いは「役割」と「求められるスキル」です。
| 項目 | 技術職 | 技能職 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 製品の開発・設計、生産プロセスの設計・改善、研究開発、品質管理 | 現場での組立・加工・検査・機械操作など、実際のものづくり作業 |
| 求められるスキル | 化学や工学などの専門知識 | 実践的な作業スキルや経験 |
| 仕事内容 | 新技術・製品の開発、効率化やコスト削減のための仕組み作り | 手作業や機械操作による製品の製造・検査 |
| 例 | エンジニア、設計者、研究者 | 職人、作業員、検査員 |
技術職は理論や知識を生かして「仕組みを作る」仕事であるのに対して、技能職は現場で「実際に作る」仕事という点が大きな違いになります。
【職種別】技術職の種類
専門知識を生かして仕事を進める技術職は、職種別にいくつかの種類に分けられます。ここでは、職種別の技術職の種類について解説します。
メーカー系技術職
メーカー系技術職とは、製造メーカーで自社製品の開発・設計・生産・保守に携わる仕事です。
製品の企画・開発や設計、量産、品質管理、設備保守など、各工程に専門職が存在し、連携してものづくりを支えています。
主な職種の一覧は以下のとおりです。
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メーカー系技術職の職種
●研究開発
●設計開発
●生産技術
●設備保全
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自動車メーカーを例に挙げると、研究開発が新素材や次世代技術の研究を行い、設計開発が車体やエンジン、内装などを設計図に落とし込みます。
その後、工場での生産に向けて設備の導入や工程の改善を生産技術が担い、設備保全が設備にトラブルが発生した際の対応や改善提案を行うイメージです。
IT系技術職
IT系技術職とは、ITエンジニアとも呼ばれ、システムやアプリの設計・開発、ネットワークやサーバーの構築・運用など、IT分野の専門技術を生かす仕事です。
IT系技術職は、分業が進んでおり職種ごとに専門性が高く、顧客やチームとの連携が多いためコミュニケーション力や課題解決力も重要になります。
主な職種の一覧は以下のとおりです。
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IT系技術職の職種
●システムエンジニア
●プログラマー
●ネットワークエンジニア
●サーバーエンジニア
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システムエンジニアは、具体的にシステムを「どのように作るか」を考えて設計する仕事です。システムエンジニアが考えた設計をもとに、プログラムを書いてアプリやサイトを動かすのがプログラマーになります。
出来上がったシステムやアプリのネットワークやサーバー環境を構築・監視し、安定稼働を支えるのがネットワークエンジニアやサーバーエンジニアの役割です。
建築系技術職
建築系技術職とは、建築物の設計や施工管理など、建設プロジェクト全体を技術的に支える仕事です。
建築系技術職で活躍するためには、建築士(一級・二級・木造)や建築施工管理技士などの資格が求められます。
主な職種の一覧は以下のとおりです。
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建築系技術職の職種
●設計職
●構造設計技術者
●施工管理職
●検査技術者
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設計職が建物の用途や規模に応じて仕様を決定し、構造設計技術者が安全性を考慮しながら構造部分の設計を行うことで、図面が完成します。
出来上がった図面にもとづいて工事現場の進行管理を施工管理職が行い、完成した建物の品質を検査技術者が検査します。
化学系の技術職
化学系技術職とは、化学の専門知識を生かして製品の研究開発や製造、品質管理などに携わる仕事です。
化学系技術職は、日用品から先端素材まで幅広い分野で社会に貢献できます。
主な職種の一覧は以下のとおりです。
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化学系技術職の職種
●研究開発
●生産技術
●品質管理
●プラントエンジニア
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メーカー系技術職と似た部分がありますが、化学分野に特化している点と他社に納入する素材などを開発することもある点が異なります。
危険物取扱者や化学分析技能士、技術士などの資格が役立つ場合も多い仕事です。
工場における技術職の仕事内容
技術職は企業の工場内においてもいくつかの種類があります。ここでは、工場における技術職の仕事内容を解説します。
生産技術職
生産技術職の仕事内容とは、製品を効率よく・高品質で・低コストに生産できる体制を作ることです。
生産現場の「縁の下の力持ち」として、工場全体の効率や品質を左右する重要なポジションになります。
代表的な業務一覧は以下のとおりです。
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生産技術職の業務
●生産ラインの設計・改善
●生産設備の導入・立ち上げ
●生産体制の効率化・課題解決
●新技術・新工法の開発
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設計部門や現場作業者と連携しながら、生産現場全体を技術面から支えるのが生産技術職の仕事です。
製造技術職
製造技術職の仕事内容とは、製品を高品質かつ効率的に生産できるよう、製造プロセス全体を最適化・改善することです。設計や開発よりも「現場での実践力」が重視されます。
具体的な業務内容の一覧は以下のとおりです。
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製造技術職の業務
●製造プロセスの改善・最適化
●設備管理・トラブル対応
●品質管理・不具合分析
●新技術・新工法の導入
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製造技術職は現場での対応力やコミュニケーション力も求められ、日々の運用サポートや他部署との連携も多い職種です。
設備保全
設備保全の仕事内容とは、工場内の機械や設備を安全かつ安定して稼働させるための点検・修理・メンテナンスを行うことです。
設備の故障やトラブルを未然に防ぎ、生産ラインの安定稼働と品質維持を実現することを主な目的としています。
設備保全の業務は、大きく分けて「予防保全」「事後保全」「予知保全」の3つに分類されます。
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設備保全の業務
●故障を未然に防ぐために、定期点検・整備・部品交換を行う(予防保全)
●故障やトラブルが発生してから修理・復旧を行う(事後保全)
●設備の状態を監視し、異常兆候が見られた時点でメンテナンスを実施する(予知保全)
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設備保全は工場の安定稼働や品質維持、生産性向上に欠かせない重要な役割です。
技術職に向いている人
技術職にはさまざまな種類があり、幅広い働き方ができます。その中で、技術職で働くのに向いている人の特徴を3つ紹介します。
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技術職に向いている人
●ものづくりや技術そのものが好きな人
●学ぶ意欲や向上心がある人
●几帳面で粘り強い人
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ものづくりや技術そのものが好きな人
ものづくりや技術そのものが好きな人は、技術職に非常に向いているといえます。
このような人は、新しい技術や知識を積極的に学び続ける意欲があり、実践的な作業や試行錯誤を楽しめる傾向にあるため、日々の業務や改善活動に前向きに取り組めるでしょう。
製品や仕組みが出来上がる過程に興味を持ち、細部にもこだわりを持って仕事ができる点も強みです。
また、自己改善に熱心で失敗や課題も成長のチャンスと捉える人も多いため、技術職として長く活躍しやすい性格ともいえます。
学ぶ意欲や向上心がある人
学ぶ意欲や向上心がある人も、技術職に向いています。
技術職は常に新しい知識や技術を学び続ける必要があり、高い学習意欲が求められます。現状に満足せず、変化や改善点を自ら探し、積極的にスキルアップを図る姿勢が重要です。
学び続ける人は、問題解決力や創造力も伸びやすく、現場での評価や昇進にも直結します。このような学ぶ意欲や向上心は、技術職で長く活躍するための大きな強みです。
几帳面で粘り強い人
几帳面で粘り強い人は、技術職に非常に向いています。
技術職は正確さや細かい注意力が求められ、地道な作業でも丁寧にコツコツと進められる几帳面さが重要です。
また、技術職ではトラブルや課題が発生した際にも、諦めずに原因を追究し、試行錯誤を繰り返して解決まで粘り強く取り組む力も重視されます。
几帳面で粘り強い性格は、高品質なものづくりや安定した成果を出すための大きな強みとなるでしょう。
未経験から技術職に転職するコツ
転職を考えている方の中には「技術職は未経験だけどチャレンジしてみたい」と感じている方も少なくないでしょう。ここでは、未経験から技術職に転職するコツを3つ解説します。
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未経験から技術職に転職するコツ
●未経験者歓迎の求人を狙う
●技術職に生かせる資格を取得する
●技術職に強い転職サイトを活用する
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未経験者歓迎の求人を狙う
未経験歓迎の求人は、専門知識や実務経験がなくても応募できるため、最初の一歩として最適です。
未経験歓迎の求人は、入社後に必要な知識やスキルを段階的に身につけられる研修やOJTが用意されていることが多く、安心して新しいキャリアに挑戦できます。
まずは未経験可の求人に応募し、現場で経験を積みながら徐々に需要のあるスキルアップを目指してみましょう。
また、未経験者歓迎の表記がある求人を積極的に探し、研修やサポート体制を確認して応募することも転職成功のコツといえます。
技術職に生かせる資格を取得する
資格は基礎知識やスキルを持っていることの客観的な証明となり、実務未経験でも採用担当者にアピールできます。
例えば、IT系なら「基本情報技術者試験」「CCNA」「LinuC」などがあり、メーカー系なら「品質管理検定(QC検定)」「CAD利用技術者試験」などが評価されやすい資格です。
また、資格取得の過程で得た知識や学習意欲も、面接でのアピール材料になります。
まずは目指す分野の資格や需要を調べ、取得できそうな資格からチャレンジしてみましょう。
QC検定についてより詳しく知りたい方には、下記の記事もおすすめです。QC検定とはどのようなものなのかを詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
技術職に強い転職サイトを活用する
未経験から技術職への転職を目指すなら、技術職に強い転職サイトの活用は必須です。
技術職やエンジニア業界に特化した転職サイトは、未経験歓迎の求人や研修・サポート体制が整った企業の情報が豊富にあります。
また、検索条件が細かく設定でき、勤務地や働き方、未経験可などで絞ることが可能なので、あなたの希望やライフスタイルに合った求人を効率よく探せるでしょう。
その際は、小まめに求人情報をチェックすることで、自分に合ったチャンスを逃さずに済みます。
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また、自動車メーカーで技術職をしているスタッフのインタビューも掲載しています。技術職に興味がある方はあわせてご覧ください。
まとめ
技術職はメーカー系、IT系、建築系、化学系などのさまざまな分野に分かれています。また、工場内でも生産技術職、製造技術職、設備保全などいくつかの職種に分類できます。
さまざまな職種や分野がある中で共通して必要になるのは、ものづくりに対する興味や向上心、粘り強く仕事に取り組む姿勢です。
未経験でも、未経験歓迎の求人を狙ったり、資格を取ったりすることで技術職への転職は可能です。日総工産では、先ほどご紹介した<工場求人ナビ>の他にも、エンジニア向けの求人情報に特化した<エンジニア求人ナビ>があります。これらのサイトをチェックしつつ、まずは実際にどのような働き方にしたいか、イメージを膨らませてみましょう。
