玉掛け資格を履歴書に書く際の正式名称や、志望動機の書き方のコツ・例文を紹介
2025/5/22 更新
そもそも「玉掛け」とは?
「玉掛け(たまかけ)」とは、クレーンを使用して荷物を運搬する際、ワイヤーロープやベルトスリングなどの吊り具を用いて、クレーンのフックに荷物を掛け外しする作業のこと。クレーンで重い資材や荷物を上げ下ろしする工場や倉庫、工事現場など、製造・物流・建設業の現場に欠かせない重要な仕事のひとつです。
玉掛け作業には資格が必須
玉掛けは、誰でもできる簡単な作業のように思われがちですが、クレーンで重量物や大きな荷物を吊り上げる際には、適切な方法で作業を行わないと重大な事故につながる恐れがあります。もし作業中に吊り荷が崩れて飛散したり、フックから外れて落下したりすれば、現場の作業員だけでなく、通行人まで巻き込む大惨事につながりかねません。
こうした事故を防止する観点から、吊り上げ荷重1トン以上のクレーンを使った玉掛け作業に従事する者は、労働安全衛生法に基づく「玉掛け技能講習」修了資格を取得することが義務づけられています。
また、吊り上げ荷重1トン未満のクレーンを使用した玉掛け作業の場合、必ずしも資格が必要となるわけではありませんが、労働安全衛生法に基づく「玉掛け特別教育」修了資格の取得(受講)が推奨されています。現場によっては特別教育の修了資格がないと、クレーン荷重1トン未満の玉掛けであっても従事できないことがあります。
※玉掛けの仕事について詳しく知りたい方は、こちらもチェック!
「玉掛け」とは何?具体的な仕事内容や資格について徹底解説 | 工場・製造業の求人・お仕事・派遣なら日総工産
玉掛け資格の実技試験は難しい?具体的な試験内容や注意点を徹底解説! | 工場・製造業の求人・お仕事・派遣なら日総工産
玉掛け資格の取得方法・難易度
先述したように、玉掛けの資格には「玉掛け技能講習(クレーン荷重が1トン以上)」と「玉掛け特別教育(クレーン荷重が1トン未満)」の2種類があります。いずれも、厚生労働省が定める国家資格で、18歳以上であれば職歴や学歴を問わず取得することが可能です。
以下、各資格の取得方法と難易度について解説します。
玉掛け技能講習の修了資格を取得する方法
玉掛け技能講習のカリキュラムは、全国各地のクレーン教習所や都道府県労働基準協会連合会などで実施しています。講習は学科が12時間・実技が7時間(計3日間)で、講習後に実施される筆記試験・実技試験ともに合格すると取得できます。受講費用は2~3万円が目安です。
なお、クレーン関連の資格(クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許など)を保有している人は、講習科目の受講が一部免除されますので、申し込み時に確認してください。
玉掛け特別教育の修了資格を取得する方法
玉掛け特別教育のカリキュラムは、全国各地のクレーン教習所や企業事業所などで実施しています。講習時間は学科が5時間・実技が4時間(計2日間)で、すべてを受講すれば修了試験なしで取得できます。講習費用は1万円台が目安です。
なお、玉掛け特別教育の資格では、吊り上げ荷重1トン以上のクレーンを使用した玉掛け作業に従事することはできません。よって、玉掛け作業者として仕事の幅を広げるなら、1トン未満を含めてすべてのクレーンを使った作業に従事できる、玉掛け技能講習の資格を取得することをおすすめします。
玉掛け特別教育・技能講習の難易度は
玉掛け特別教育の資格は、講習を受講すれば修了試験なしで取得できますので、現場で安全・確実に作業ができるよう、すべての講習をしっかりと受けることが重要です。
一方、玉掛け技能講習の資格を取得するためには、受講後の筆記試験・実技試験ともに合格する必要があります。合格率は90%以上となっており、国家資格の難易度としては比較的容易に取得できるレベルです。
玉掛け資格の履歴書への正しい書き方は?
玉掛けの資格を持っていても、「履歴書の資格・免許欄に、どう書くのが正しいのかわからない」という人も意外に多いようです。一般的には「玉掛け資格」「玉掛け免許」「玉掛け技能者資格」などと呼ばれることがありますが、実はどれも略称で正式名称ではありません。
応募先の企業に提出する履歴書は公的な文書なので、正式な書き方をしているかどうかで、採用担当者に与える印象度も変わってきます。よって、資格名は必ず正式名称で記入するようにしましょう。
玉掛け資格の正式名称は?
玉掛けの資格には、クレーン荷重1トン以上の作業に従事できる「技能講習」と、クレーン荷重1トン未満の作業のみ従事できる「特別教育」の2種類がありますが、それぞれ正式名称が異なります。技能講習の修了資格の正式名称は「玉掛け技能講習修了」、特別教育の修了資格の正式名称は「玉掛け特別教育修了」となります(下記参照)。
仕事に関連する免許・資格は必ず併記
履歴書に記載された免許や資格は、応募先の企業が採用の可否を判断する重要なポイントとなりますので、応募先の仕事や玉掛けに関連する免許・資格を保有していれば、必ず併記するようにしましょう。
とくに、玉掛け作業の現場では、クレーン運転者との連携が重要となります。よって、クレーン関連の資格(クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許など)を保有している人は、玉掛けの資格と併せて記載することで、さらなるポイントアップが狙えるでしょう。
玉掛けの求人で志望動機を書く際のコツ&例文
玉掛けの資格を生かして就職・転職する場合、履歴書の志望動機・自己PRの欄や職務経歴書には、何をどのように書けば有利となるのでしょうか。
ここでは、玉掛けの実務経験がある場合と、資格はあっても実務経験がない場合について、それぞれの志望動機や自己PRの書き方のコツを例文とともに紹介します。
玉掛けの実務経験がある場合
即戦力となる実務経験は大きな強みとなるため、これまで従事していた玉掛け作業の内容について詳しく説明し、実践的な技能があることを積極的にアピールしましょう。
内容としては「玉掛けの経験年数」「玉掛けに従事していた業界・現場」「扱っていた製品・荷物」「経験を生かした今後の展望」などを織り交ぜつつ、より具体的に伝えるのがポイントです。
【自己PR・志望動機の例文1】
これまで製鉄会社の工場で3年間、鋼片や鋼板、鉄パイプなどを積み下ろしする玉掛け業務に従事していました。以前から自動車業界に興味があり、大手自動車メーカーである貴社で、自分の経験を生かしながら活躍の場を広げたいと考え、応募いたしました。
【自己PR・志望動機の例文2】
大型貨物を扱う物流ターミナルで7年間、玉掛けの業務に従事し、安全面に留意しながら迅速に荷物を積み下ろしする技術を培ってきました。貴社の求人内容を拝見し、自分の経験が即戦力としてお役に立てるのではないかと考え、志望いたしました。
玉掛けの実務経験がない場合
玉掛けの資格は保有しているものの、現場での実務経験がない場合は、仕事を選んだ理由や資格を取得した動機などを説明し、玉掛け業務に対する自身の適性と意気込みをアピールしましょう。
【自己PR・志望動機の例文3】
前職ではビルやマンションの建設現場で、資材の運搬や補助作業などの業務に就いていました。そこで玉掛けの仕事を見て興味を持ち、働きながら技能講習の修了資格を取得。玉掛け業務は未経験ですが、現場の安全管理や高所作業などの経験を生かしながら、玉掛け業務にチャレンジしたいと考え、応募いたしました。。
【自己PR・志望動機の例文4】
学生時代、物流倉庫でアルバイトをしているときに、周囲と連携して作業する玉掛けの仕事に興味を持ち、技能講習の修了資格を取得しました。玉掛けの実務経験はありませんが、自身のコミュニケーション能力を発揮してスキルを磨きながら、現場の皆さんと共に貴社に貢献したいと励んでおります。
まとめ
今回は、玉掛け資格を履歴書に書く際の正式名称や志望動機の書き方、資格の種類や取得方法について解説しました。
ご紹介したように、公的な文書である履歴書には、資格を正式名称で記載するのが基本です。志望動機や自己PRに関しては、玉掛けの実務経験や仕事への意欲などを、より具体的な言葉で伝えることが、採用のチャンスを広げるポイントとなります。玉掛けの求人に応募する際には、これらの点を踏まえて履歴書を作成し、自分自身の能力や意気込みをしっかりとアピールしましょう!
また、玉掛け作業者はクレーンを使う現場なら確実に求められるため、技能講習や特別教育の修了資格を取得しておくと、就職・転職する際にも有利となります。本記事を読んで玉掛けの仕事に興味を持った方も、この機会に資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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