夜勤手当とは?相場や計算方法・深夜手当てとの違いについて解説
2026/5/29 更新
1.夜勤手当とは?
夜勤手当とは、夜間に勤務する従業員に対して企業が支給する手当です。
ただし、
夜勤手当には法律上の義務はなく、支給の有無や金額、対象となる時間帯は企業ごとに異なります。例えば、
「夜勤1回あたり〇円」といった定額支給や、
「特定の時間帯以降は時給を上乗せする」といった形式など、支給方法もさまざまです。
そのため、同じ夜勤の仕事でも、企業によって手当の内容に大きな差がある点には注意が必要です。求人情報や雇用契約書を確認し、夜勤手当の有無や条件を事前に把握しておきましょう。
深夜手当との違い
夜勤手当とよく混同されるのが「深夜手当(深夜割増賃金)」です。両者の違いは、法律で定められているかどうかです。
夜勤手当は企業が任意で支給する手当であるのに対し、 深夜手当は労働基準法によって支給が義務付けられています 。
深夜手当の主なポイントは以下の通りです。
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●対象時間:22時〜翌5時 ●割増率:通常賃金の25%以上
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つまり、夜勤手当が支給されない会社でも、上記の時間帯に働いた場合は必ず深夜手当が発生します。一方で、夜勤手当がある企業では、深夜手当とは別に追加で支給されることもあります。
このように、 「夜勤手当=会社独自の手当」「深夜手当=法律で定められた割増賃金」と整理すると分かりやすいでしょう。
2.深夜手当の不払いは法律違反
深夜手当は労働基準法で定められており、該当する労働に対して支払われていない場合は法律違反となります。
そのため、 夜勤手当がない会社でも、深夜時間帯(22時~翌5時)の労働に対しては、深夜手当(割増賃金)が必ず発生します 。また、夜勤手当を支給している会社では、深夜手当とは別に手当が上乗せされるケースもあります。
さらに給料が割増しされる場合も
そのほか、労働基準法が定める割増賃金には、 法定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)の上限を超えた時に支給される「時間外手当(割増率25%以上)」、法定休日に出勤した際に支給される「休日手当(割増率35%以上)」があります。これらの割増賃金は原則として足し算方式となるため、以下のように重複して割増しされる場合もあります。
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●深夜に時間外労働をした場合……深夜手当25%+時間外手当25%=50%以上アップ
●休日に深夜労働をした場合……深夜手当25%+休日手当35%=60%以上アップ
●休日の深夜に時間外労働をした場合……深夜手当25%+時間外手当25%+休日手当35%=85%以上アップ
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3.夜勤手当の相場は?
先述したように、夜勤手当の支給額は法的なルールがないため、具体的な金額は会社や職種によってまちまちです。
ちなみに、工場などの製造業における夜勤手当の相場は、
夜勤1回につき1500円~6000円程度(※)。
夜間勤務が多い看護師の場合、準夜勤・深夜勤1回につき4000~5000円前後、2交替の夜勤が1万1000円前後といわれています(※)。これらの金額が夜勤の回数に応じて、基本給に上乗せして支給されることになります。
また、 夜勤手当が基本給に含まれ、給与明細に記載されていないケースもあります。とくに、夜勤シフトのみ(夜勤専属)で働く場合、はじめから夜勤手当を上乗せして、基本給自体を高めに設定している会社もあります。給与明細に記載されていなくても、夜勤手当が支払われている場合がありますので、手当の有無を含めてきちんと確認しておきましょう。
※一般的な参考相場ですので、具体的な金額は勤務先によって異なります
4.深夜手当(割増賃金)の計算方法
深夜手当の支給額は「基本給(基礎賃金)の25%以上」と明確に定められているため、会社や職種を問わず規定に沿った金額が支給され、計算式で具体的な支給額を導くことができます。
以下、時給制・日給制・月給制のケースに分けて、深夜手当の計算方法を見ていきましょう。
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時給制の深夜手当の計算方法
時給制の場合は、基本時給(日勤の時給)の金額をベースに算出します。
●深夜手当=1時間あたりの基本時給×0.25(割増率)×深夜労働時間
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日給制の深夜手当の計算方法
日給制の場合は、まず日給の金額を1日の労働時間(所定労働時間)で割って、1時間あたりの賃金を求め、あとは時給制の場合と同様に計算します。
●深夜手当=1時間あたりの賃金(日給÷所定労働時間)×0.25(割増率)×深夜労働時間
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月給制の深夜手当の計算方法
月給制の場合は、まず月給の金額(所定内給与額)を1ヵ月の所定労働時間数で割って、1時間あたりの賃金を算出します。ただし、1ヵ月の所定労働時間数は祝日などの影響で月によって変動するため、以下の計算式で1ヵ月の平均所定労働時間数を算出します。
●平均所定労働時間=(365日-年間休日)×1日の所定労働時間÷12ヵ月
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平均所定労働時間を算出したら、それをもとに1時間あたりの賃金を求め、時給制や日給制の場合と同様に計算します。
●深夜手当=1時間あたりの賃金(月給÷平均所定労働時間)×0.25(割増率)×深夜労働時間
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※以上の計算式で出した深夜手当(割増賃金)は、法的なルールの最低ラインとなる25%増しの数値です。会社によっては25%以上の深夜手当を支給しているケースもありますので、その場合は計算式の割増率を会社が適用している数値(30%なら0.3)に置き換えて算出してください。
5.夜勤のメリットとは?
このように、会社の任意や法的な定めで手当が支給される夜勤ですが、実際に働く上ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
日中の勤務より給料が高い
夜勤には法的に定められた深夜手当のほか、 会社によっては夜勤手当も加算されるため、日勤のみで働くよりも給料がアップします。さらに 残業や休日出勤をすれば、時間外手当や休日手当も加算されます。効率よく稼いで高収入を目指したい人にとっては、夜勤で働くメリットを十分に感じられるでしょう。
日中の時間を有効活用できる
夜勤をすれば昼間が休みになるので、日中の時間を有効活用することができます 。日中にしか行けない病院や役所、金融機関などの用事を済ませられますし、子どもがいる人は授業参観などの学校行事にも参加しやすくなります。
通勤ラッシュのストレスがない
通勤ラッシュを避けやすいのも、夜勤ならではのメリットです。 夜勤の出社・退社の時間帯は、朝夕のラッシュアワーとかぶりにくいので、ストレスなく通勤することができるでしょう。
6.夜勤のデメリットとは?
一方で、夜勤という働き方にはマイナスな面や注意しておきたい点もあります。夜勤で働く際には、以下のデメリットについても十分理解し、自分の生活スタイルとあわせて検討することが重要です。
体に負担がかかる
24時間稼働・営業する工場や運輸会社、病院、介護施設、宿泊施設など、夜勤のある職場の多くは、 休みを挟んで日勤と夜勤を数日~1週間ごとに繰り返す交替制勤務を採用しています。そのため、 はじめは昼夜が逆転してなかなか寝付けず、睡眠不足や体調不良になる人も多いようです。慣れるまでは体調管理に注意しながら、生活のリズムを崩さないよう心がけることが大切です。
日中勤務の友人や家族と生活時間が合わない
友人や家族とスケジュールが合わせにくいのも、夜勤で働くデメリットのひとつです。昼間に自由な時間ができても、日中に働いている友人は仕事中。反対に夜は自分が仕事中なので、友人と遊びに行ったり飲みに行ったりする機会が減ってしまい、人によっては寂しいと感じるかもしれません。
また、家族と一緒に暮らしている人は、家族とのすれ違いにも注意が必要です。家族が寝ている時間帯に働き、家族が活動している時間帯に寝る日が続くと、日常生活でのコミュニケーションも減りがちです。
とくに夜勤専属で働く場合は、家族にもある程度の理解が必要かもしれません。
7.まとめ
今回は、夜勤手当と深夜手当の違いとともに、夜勤で働くメリット・デメリットについて解説しました。
ご紹介したように、夜勤手当については支給していない会社もありますので、手当の有無や支給額・条件などを確認しておくことが重要です。一方で、深夜手当は条件に応じて必ず支給される法定手当となりますので、計算で想定される割増賃金を把握しておくことで、収入面や生活費の算段もしやすくなるでしょう。 これから夜勤の仕事に挑戦したい方は、各手当について理解を深めるとともに、夜勤のメリット・デメリットを照らし合わせた上で検討することをおすすめします。
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