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35歳以上のニートの呼び方は? リスクや抜け出し方も解説

35歳以上のニートの呼び方は? リスクや抜け出し方も解説

2025/10/29 更新

  1. ■目次
    1.35歳以上のニートの呼び方
    2.ニートの定義
    ①【完全失業者】とニートの違い
    ②【フリーター】とニートの違い
    ③【無職】とニートの違い
    ④【ひきこもり】とニートの違い
    3.35歳以上の人がニートになった主な理由
    4.35歳以上のニートが陥りやすいリスク
    ①就職がより困難になる可能性がある
    ②コミュニケーション能力が低下する恐れがある
    ③将来的に孤立する可能性が高くなる
    ④社会的信用が薄れやすくなる
    5.「中年ニート」を抜け出すためにできる6つのこと
    ①家族を安心させるアクションを起こす
    ②できるだけニュースや報道番組に触れる
    ③自己分析をする
    ④外に出る機会を増やす
    ⑤新しいことにチャレンジする
    ⑥不規則な生活を改善する
    6.まとめ

35歳以上のニートの呼び方

35歳以上のニートの呼び方

一般的に34歳以下は「ニート」、35歳以上は「中年ニート」と呼ばれます。

また、総務省統計局の「2022年の労働力調査(P17)」によると、日本国内の完全失業者数は約179万人にのぼり、完全失業者数から割り出されたニートの数値は以下のようになっています。

  1. ■15歳〜34歳のニート
    完全失業者数に占める割合は約32%(57万人)
    15歳〜34 歳の労働力人口に占める割合は2.4%

    ■35歳〜44歳の中年ニート(無業者)
    完全失業者数に占める割合は約20%(36万人)
    35歳〜44歳の労働力人口に占める割合は2.3

ニートの定義

ニートの定義

“Not in Education, Employment or Training”の頭文字をとった「NEET(ニート)」は、1990年代末の英国で生まれ、学生でもない、仕事に就く意思がない、仕事に就くための職業訓練を受けていない16歳〜19歳の若者を指す言葉として使用されるようになります。

日本でも2004 年頃から、失業者やフリーターとは異なる若年無業者=ニート」という概念が広く知られるようになり、働かない若者が社会問題になりました。

また、日本の厚生労働省は、ニートを以下のように定義しています。

  1. 「ニート」の定義は、15~34歳で、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者。
    参照:厚生労働省「フリーター・ニートの推移」

【完全失業者】とニートの違い

冒頭で非労働力人口のうち、通学をしていない、家事をしていない、仕事をしていない、または求職活動をしていない15歳〜34歳の若年無業者をニートと呼ぶ……とご紹介しましたが、完全失業者との違いはどのような点なのでしょうか。

総務省は完全失業者を以下のように定義しています。

  1. (1) 仕事がなく、調査週間中に仕事をしていなかった(就業者ではない)人
    (2) 仕事があればすぐ就くことができる人
    (3) 調査週間中に休職活動や事業開始準備をしていた人

この3つの点から、「いまは事情によって仕事に就いていないけれど、休職(離職)後に仕事に復帰する意思がある人」を完全失業者と呼びます。

一方の若年無業者(ニート)は、単に怠け者というわけではなく、あるいは、親や周囲に依存して(甘えて)いることを良しとしているわけでもなく、学校卒業時に働くきっかけを失い、そのまま無職の状態が続いている人や、一度社会に出たけれどなんらかの事情によって離職し、その後も働けない無業状態が続いている人のことを指します。

【フリーター】とニートの違い

パートやアルバイトとして仕事に就き、自らの力で収入を得ている人のことを「フリーター」と呼びます。あるいは、いま現在は働いていないけれど、パートまたはアルバイトとして働くことを希望している(就活中)の人も「フリーター」といいます。

正社員などの正規雇用者ではないため雇用状態は不安定ですが、「自力で生活費を得ている人」を「フリーター」と呼ぶ一方、「自力で生活費を得ていない(得られない)人」「就活をしていない人」「働けない状態にある人」をニートと呼びます。

フリーターの定義とニートとの違いについてはコチラもチェック!

【無職】とニートの違い

義務教育を終えた若者から高齢者にいたる全世代において、仕事をしていない人、自ら働いて賃金を得ていない人を「無職」と言います。

公的書類に職業を記載する際、職業分類に「年金生活者」や「主婦」という項目も最近は増えていますが、「年金生活者」や「主婦」という項目がない場合は、「年金生活者」や「専業主婦」は基本的に「無職」と記入します。

また、ニートの人が公的書類に職業を記入する際は、多くのケースで項目欄に「ニート」がないため、職業欄は「無職」になります。さらに、「年金生活者」「専業主婦」「ニート」「中年ニート」はいずれも「無職」に変わりないのですが、ニートと呼ぶ場合は15歳~34歳の若年層を指すことが一般的です。

【ひきこもり】とニートの違い

厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では「ひきこもり」を次のように定義しています。

  1. さまざまな要因の結果として、社会的参加を回避し、原則的には6カ月以上にわたって、おおむね家庭にとどまり続けている状態

無業者(ニート)は、「一度は就職したものの、周囲とうまくいかずニートになった」「家庭の事情や病気などの理由で就労・就学が困難になり、ニートになった」など、一人ひとりさまざまな理由や事情を抱えています。

ニートと呼ばれる人のなかには、「学生時代に不登校・ひきこもり状態になり、そのままニートになった」というケースも珍しくなく、厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」によると、社会的な組織とかかわりを持っていないニートと呼ばれる人の約半数が(49.5%)が、ひきこもり状態であることも判明しています。

このように、ひきこもりとニートには密接な関係がありますが、厳密には、家族以外との交流がほとんどない人を「ひきこもり」と呼び、基本的には高校在学年齢の若者を指すのですが、部屋にひきこもった生活が長期にわたる20、30、40代も「ひきこもり」と呼ぶことがあります。一方、自室にこもることなくある程度の社会参加はしているけれど“働く意思がない人”、もしくは、さまざまな事情によって“働けない人”を「ニート」と呼びます。

【ひきこもり】とニートの違い

35歳以上の人がニートになった主な理由

35歳以上の人がニートになった主な理由

ニートになってしまった理由は人によってさまざまですが、例えば下記のような要因が想定されます。

  1. ■社会経験が乏しく、やりたいことが見つからない
    ■何もする気が起きない
    ■ひきこもり生活が長く、気づいたらニートになっていた
    ■自分には無理だと思い込み、働くことをあきらめている
    ■働く意欲を失い、就職など考えられない
    ■社会に取り残されたまま、時間だけが過ぎてしまった
    ■社会に出ても、周囲とコミュニケーションがうまく図れない
    ■相談する人、頼れる人がいない

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35歳以上のニートが陥りやすいリスク

35歳以上のニートが陥りやすいリスク

就業者、無業者問わず、35歳はひとつの節目とされます。その年齢を超えてからもニートを続けている人のことを「中年ニート」「中年無業者」と呼びます。そして、35歳を超えてニートを続けていると、さまざまな社会的リスクが高まると言われています。以下で具体的に解説していきます。

就職がより困難になる可能性がある

一つ目のリスクは、「就職がより困難になる」です。

多くの企業では「体力・気力が旺盛な若手の人材」や「キャリア・経験・スキルを有した人材」などを採用基準にしています。例えば、若手の人材を採用したい企業なら、35歳を超えた人は採用枠から外れることになりますし、これまで仕事をした経験がないニートの場合は過去のキャリア・経験・スキルがないため、企業にとって即戦力になりません。こうした点から35歳を超えたニートは条件的に厳しく、書類選考でふるい落とされやすくなると考えてよいでしょう。

コミュニケーション能力が低下する恐れがある

長期にわたってニート生活を続けていると、コミュニケーションを取る相手が両親やきょうだいに限られるため、自分でも気づかないうちにコミュニケーション能力が低下していることになります。
企業で働く=多くの人と接することを意味するため、低下したコミュニケーション能力によって人づき合いがうまくいかないことも想定されますし、「このままではだめだ」と一念発起して就職活動を始めても、社会の変化に対応できない可能性が高く、結果として離職し、再び自宅にこもる生活に舞い戻ることも考えられます。こうしたリスクからも、就職活動はできるだけ早い時期にスタートさせることが望ましいでしょう。

将来的に孤立する可能性が高くなる

現在の生活が永遠に続くわけではないため、ニート生活が続くと将来的に孤立する可能性も否定できません。
どのような親御さんも、子どもが自立することを願うものです。ニート生活を送るあなたのことを、両親やきょうだいはとても心配しているはずです。しかし、いつまでも彼らに庇護される生活が続くわけではありません。

子どもが30代中盤になれば、その両親は多くの場合50代以上になります。両親が元気なうちはニートの子どもの面倒をみることはさほど負担ではないでしょうが、定年退職を迎え、収入が年金のみになれば、高齢化した両親にとって、子どもの面倒をみることは肉体的、精神的、経済的な負担が増すことになります。さらに、父母が亡くなった後に面倒をみてくれる人がいなくなれば、自立することは難しく、生活が破綻することも想定されます。

社会的信用が薄れやすくなる

新たな人間関係を築けなくなり、社会的信用度ゼロのリスクも挙げられます。

もし両親が資産家で、親御さんが亡くなったあとの生活に心配がなくても、ニート生活を続けていれば新しい出会いはほとんどないでしょうし、ましてや結婚することも難しくなります。

もし、SNSなどで共通の趣味を持つ異性と出会い、交際がスタートした後に結婚したいと思っても、仕事をしていない、ずっと家にこもっている……という生活を続けていた人との結婚を、相手の両親は認めてくれない可能性は高いですし、親の反対を押し切って結婚したとしても、長期間「ニート」を続けていた人は社会的信用度が著しく低いため、新居のアパートを借りる際や、新居ローンを組む際にも、クレジットカード、銀行ローンの審査は下りないことが想定されます。そうなれば新生活の入り口でつまずくことになり、二人の関係性にヒビが入る恐れもあります。

「中年ニート」を抜け出すためにできる6つのこと

ここまで35歳以上のニート(中年ニート)が陥りやすい4つのリスクを解説してきましたが、最後にご紹介するのは、リスク回避につながる6つの方法です。

「中年ニート」を抜け出すためにできる6つのこと

家族を安心させるアクションを起こす

まずは、家族の心配を減らす努力をしていきましょう。

あなたがニートであることを両親やきょうだいは望んでいるわけではなく、何も言わなくても内心では相当心配しているはずです。唯一の応援者であり、生活の支援をしてくれる家族の負担を減らすために、きちんとした就職でなくてもよいので(できる範囲で)、週に1回、もしくは短時間のバイトにチャレンジするなどのアクションを起こし、自らを外の空気にならすように少しずつ社会との接点をみいだしていきましょう。

できるだけニュースや報道番組に触れる

社会とかかわりがない生活を続けていると、気づかないうちに世間の常識とかけ離れてしまうため、ニュースや報道番組に触れるよう心がけ、世間とのつながりを維持するようにしましょう。

自己分析をする

自己分析として、自分の得意なこと、好きなことを整理するのがおすすめです。就職活動時に「過去のキャリア・経験・スキル」がまったくなければ、仕事に就くこともままなりません。仕事を始めようと考えたときに自分の得意なこと、好きなことを整理しておけば、志望業界や企業が絞り込めることになります。さらに、興味があること、好きなことでれば、仕事が長続きする可能性もグンと高まるでしょう。

外に出る機会を増やす

在宅時間が長くなると、どうしても体力が落ちやすくなります。 いざ働き始めると「思ったより疲れる」と感じる人も多いでしょう。 まずは短時間でも外に出る機会を増やし、通勤や出社に向けて少しずつ体を慣らしていくことが大切です。 生活リズムを整え、外の空気に触れる時間を持つことで、心も体も自然と前向きになっていきます。

新しいことにチャレンジする

人間関係を築くことが苦手な人であれば、運転免許証の取得にチャレンジするのも有効な手段です。運転免許書にハードルの高さを感じる人は自転車でも構いません。まずは、外に出る機会を増やし、少しずつ社会と接する練習をしましょう。一人で外出することに慣れてきたら、人間関係で悩むことが少ないフードデリバリーの仕事も選択肢として考えられるかもしれません。

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不規則な生活を改善する

不規則な生活が続くと、心身のバランスを崩しやすくなります。 いきなり早寝早起きを徹底する必要はありませんが、まずは少しずつ体を慣らしながら、午前中に起きる習慣をつけていきましょう。 朝の時間を有効に使えるようになると、気持ちにも余裕が生まれ、1日を前向きに過ごしやすくなります。

まとめ

まとめ

35歳以上になってもニート生活を続けていると無収入による生活の破綻や、社会的信用がなくなりさまざまな場面で不便を感じるなど、たくさんのリスクが発生します。危機感を持った方は諦めることなく「今の生活から抜け出したい」という気持ちを強く持って行動していくことが重要です。

まずは小さくてもよいので社会との接点を持ち、自己分析をして自分の強みや弱みを明確にしましょう。就職に関して悩みや不安を持つ方は一人で抱え込まず、ハローワークや地域若者サポートステーションなどを利用して相談してみるのがおすすめです。

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