化粧品工場の仕事内容やメリット・デメリット、働く際の注意点を解説
2025/6/24 更新
化粧品工場の主な作業内容
スキンケアやメイクアップ、ヘアケアなどのコスメ商品を製造する化粧品工場。その製造現場の仕事は、扱う製品や行程によって異なりますが、多くは製造ラインに沿った単純作業や、簡単な機械オペレーション(機械のボタン操作など)が中心となります。
以下、化粧品工場の主な作業内容を工程ごとに見ていきましょう。
【計量・調合】
化粧品の原材料を処方に従って計量・調合します。
【製造】
計量・調合した原材料を大型機械に投入し、攪拌・加熱・冷却などを行って化粧品を製造します。
【バルク検査・品質管理】
製造した化粧品が容器に詰められる前の状態(バルク)で、ロットごとにサンプルを抜き取り、品質が規定の基準を満たしているかをチェックします。人の感覚による官能検査や、特殊な精密機器を用いて品質検査をする工場もあります。
【充填】
製造した化粧品をボトルやジャーなどの容器に詰めていきます。キャップ閉め・容器のラベル貼りなどの作業もこの段階で行います。
【検査・検品】
化粧品を容器に充填した後、「液漏れしていないか」「異物は混入していないか」「容器やラベルに汚れや破損はないか」など、規定の検査項目を目視や機械で確認します。
【包装・梱包・出荷】
検査・検品の済んだ製品をパッケージ(外箱など)に入れ、必要に応じて説明書の封入やシール貼りなどを行います。出荷作業はフォークリフトで行われることも多いため、フォークリフトの資格を持っていると重宝されます。
化粧品工場の種類
化粧品工場は、設備や法的な許可の有無によって、以下2つの種類に分類されています。それぞれに業務内容や扱う製品が異なりますので、働く際には事前に確認しておくといいでしょう。
化粧品の製造のみを行う工場(OEM工場など)
化粧品を製造するためには、都道府県知事から「化粧品製造業許可」を得る必要があります。この許可を得た工場では、化粧品の製造から梱包、保管までの業務を行うことができます。ただし、製造した化粧品を自社で販売することはできません。
自社製品の製造のみを行う中小メーカーや、他社製品の製造を請け負う「OEM工場」などが、このタイプの工場に属します。とくにOEM工場は、複数の企業の製品を扱うケースが多いため、多種多様な化粧品の製造に関わることができます。
化粧品の製造・販売を行う工場
「化粧品製造業許可」に加え「化粧品製造販売許可」を得た工場では、化粧品の製造から流通までの業務を自社で行うことができます。自社ブランドを持つ大手化粧品メーカーは、このタイプの工場が多いため、特定企業の化粧品が好きな人や、有名ブランドの化粧品の製造に関わってみたい人にもおすすめです。
化粧品工場で働くメリット
ここからは、化粧品工場で働くメリット・魅力について解説します。
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化粧品工場で働くメリット・魅力
●未経験でも仕事を始めやすい
●女性が多く活躍している
●化粧品の製造に関する知識が得られる
●長期的に安定して働ける
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未経験でも仕事を始めやすい
化粧品工場の仕事は未経験歓迎の求人が多く、ほとんどの現場で作業マニュアルや指導体制が整備されています。仕事内容も比較的覚えやすい単純作業が中心なので、作業のコツをつかんで慣れてくれば、スムーズに仕事をこなせるようになります。そのため、工場勤務の経験がない人や、異業種からの転職を考えている人にも挑戦しやすいでしょう。
女性が多く活躍している
化粧品工場は、ほかの業界の工場と比べて女性の割合が多いのが特徴です。重量物を扱う力仕事が比較的少なく、どちらかというと作業のスピードや正確さ、丁寧さが求められるため、女性が活躍しやすい職場といえるでしょう。
化粧品の製造に関する知識が得られる
化粧品工場で働くことで、スキンケアやメイクアップ商品の成分・製造方法、品質管理のポイントなど、化粧品の製造に関する知識を得ることができます。美容業界の仕事に興味がある人にとっては、今後のキャリアに役立つスキルとなるでしょう。
長期的に安定して働ける
品質の高さに定評のある日本製の化粧品は、アジアを中心とした海外で年々需要が伸びています。今後もそのニーズは高まると予測されているため、化粧品の製造に携わる工場勤務の求人数も多く、長く安定して働きたいと考えている人にも、おすすめの業界といえるでしょう。
化粧品工場で働くデメリットや注意点
さまざまなメリットがある化粧品工場の仕事ですが、人によってはデメリットになる部分や、働く際に注意したい点もあります。
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化粧品工場で働くデメリットや注意点
●立ち仕事で足腰が疲れる
●単純作業の繰り返しが多い
●化粧品特有の匂いが気になる
●衛生管理に関する規則が厳しい
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立ち仕事で足腰が疲れる
化粧品工場のライン作業は、基本的に立ち仕事です。筋力への負荷は少なくても、長時間立ちっぱなしで作業していると、やはり足腰に疲れを感じる人も多いようです。対策としては、休憩中に軽いストレッチやマッサージをするなど、日ごろから身体への負担を減らすケアを心がけることが大切です。
単純作業の繰り返しが多い
化粧品工場に限らず、工場のライン作業は、同じことをコツコツと繰り返す反復作業が中心となります。そのため、単調な作業に飽きて集中力がとぎれ、思わぬミスをしてしまうこともあるようです。作業自体は簡単でも、それを黙々とこなす集中力や持続力が求められるので、人によってはストレスを感じるかもしれません。
化粧品特有の匂いが気になる
化粧品の製造現場では、香料やアルコール、オイルなどの原料を扱うため、成分特有の匂いが充満していることがあります。多くの工場では換気対策を施していますが、完全に消すことは難しいため、匂いに敏感な人にとってはキツイ環境になるかもしれません。
衛生管理に関する規則が厳しい
化粧品は直接肌に使用する製品なので、工場内は衛生面の管理が非常に厳しく、従業員一人ひとりにも衛生対策の徹底が求められます。作業前の手洗いや消毒、マスクや手袋、白衣の着用をはじめ、クリーンルームで作業する際には、防塵服を着て入退室のたびにエアシャワーを浴びるなど、厳しいルールを守らなければいけません。また、製品への異物混入を防ぐため、アクセサリーやネイル、長い爪、つけまつげ、メイクなどが禁止されている工場もあります。
化粧品工場の仕事に向いている人の特徴
ここからは、化粧品工場の仕事に向いている人の特徴を見ていきましょう。
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化粧品工場の仕事に向いている人は?
●単純作業が苦にならない人
●一人で黙々と仕事ができる人
●化粧品が好きで製造工程に興味がある人
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単純作業が苦にならない人
化粧品工場のライン作業は、基本的に単純作業の繰り返しとなります。そのため、単調な作業を一つひとつ確実に、コツコツと続ける集中力・持続力が求められます。逆に、根気が続かない飽きっぽい人、新しい刺激や変化を求める人には厳しいかもしれません。
一人で黙々と仕事ができる人
一人ひとりが担当業務に集中して取り組むライン作業では、仕事中に周囲の人とコミュニケーションを取る機会はさほど多くありません。そのため、人と関わりながら仕事がしたい人よりも、一人で黙々と作業することが苦にならない人に向いているでしょう。
化粧品が好きで製造工程に興味がある人
化粧品工場では、普段なかなか知ることのできない化粧品の製造工程に携われるため、コスメ好きな人は楽しみながら仕事ができるでしょう。また、自分が関わった商品が店頭に並んでいたり、購入している人を見かけたりすると、仕事に携わる喜びややりがいにもつながるはずです。
まとめ
今回は、化粧品工場の具体的な仕事内容やメリット・デメリット、働く際の注意点や向いている人の特徴について解説しました。
ご紹介したように、化粧品工場の仕事は、工場勤務の経験がなくても安心して始められるのがメリットです。とくに、コスメ好きな人や化粧品の製造に興味がある人にとって、うってつけの職場かもしれません。
化粧品業界は、今後さらに海外からの需要が高まると予測されていますので、工場で働いてみたいと考えている人は、候補のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
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