請負とは何?請負と派遣の違いについてご解説!

2021/11/1 更新
「派遣はよく聞くのでイメージできるが請負についてはわからない」のような疑問を持っている方はこちらの解説をお読みください。請負と派遣の説明から、メリットとデメリットについて解説しています。
請負と派遣、何が違う?
派遣という単語はテレビやニュースでも良く出てくるので、馴染みのある単語かと思います。しかし、請負という単語はあまり聞かないため、そもそもの意味についてわからない人もいるでしょう。この記事では請負や派遣についての解説致します。是非ご確認ください。
請負とは

請負とは発注会社が請負会社と請負契約を結び、請負会社から成果物を納品してもらうことです。つまり、請負は「発注企業―請負会社―労働者」の関係性で成り立っており、労働者は請負会社と契約を結び、請負会社が発注企業と仕事の発注契約を結びます。そして労働者は、請負会社がもらってきた仕事を遂行し、それに該当する報酬をもらうことを意味します。
ここで、請負会社で働くうえで大事なことは、指揮命令が請負会社にある事です。給料報酬は成果物に対して支払われ、契約期間などは定められていないことが特徴です。
派遣とは

派遣とは派遣会社が派遣先企業と契約を結び、労働者を派遣先企業に派遣することです。つまり、派遣は「派遣先企業―派遣会社―労働者」の関係性から成り立っており、労働者は派遣会社と契約を結び、派遣先企業が派遣会社と派遣契約を結びます。そして、労働者が派遣先企業に行き、業務を行う事を意味します。
ここで、派遣会社で働くうえで大事なことは、指揮命令権が派遣先企業にあることです。給料報酬については時給制や月給制を採用するところが多いです。
請負と派遣で働く際の
メリットとデメリット
請負と派遣の違いが理解できたと思いますので、次はメリットとデメリットについてお伝えします。
請負で働く際のメリット

1.「短時間で高収入が可能な場合も」
請負会社で働く際は専門的な知識やスキルを持って業務を行うことが多いです。
また、成果報酬型であるケースもあり、時間に関わらず1つの成果を出す事・作る事で、収入を得る事が出来る場合があります。
成果報酬型であることを上手に活用すると短時間でも収入を上げることが可能でしょう。
2.「成果を上げると派遣よりも長く働ける」
派遣の最長で3年しか働けないと労働者派遣法により定められています。しかし、請負の場合は労働者派遣法には関与されません。つまり、成果を出し続けば3年以上働くことも可能でしょう。
3.「スキルの向上が見込める」
専門的な知識やスキル活かすことができます。自分が持っている知識・スキルは経験を積めば積むほど磨かれます。自分が持っている能力を活かし業務を行い、成果を残すことが請負の特徴なので、知識やスキルが向上すれば、更に単価の大きい仕事が出来るようになるので年収アップもできるでしょう。
請負で働く際のデメリット

請負会社で働くデメリットは次の三つがあります。
1.「労働法が適用されない場合がある」
稀に、小規模な請負の仕事に対し、どちらかと言うと手伝いに近い形で働いた場合、有給休暇や社会保険加入の適用外になる事があります。
一方で、大手の人材サービス企業等が手掛ける請負業務の場合は、その企業によって異なりますが、勤務時間や雇用契約形態が労働法に沿ったものが殆どになります。
2.「請負会社は賠償責任の可能性がある」
成果が求められる請負の業務では納期があることがほとんどです。仮に、納期に間に合わせることが出来なくなると、発注企業は損害を被ってしまう可能性もあります。発注企業が受けた損害を請負会社に請求する場合もありますので、そこで働く社員にも何かしら悪い影響が出る場合があります。
3.「拘束時間が長くなる可能性」
請負は成果報酬型であることから、成果を出せなければ休日に仕事をしてでも成果物を作りだす必要があります。請負会社で働く場合には突発的な出勤要請があるかも知れません。
派遣で働く際のメリット

派遣には次の三つのメリットがあります。
1.「安定した給料」
派遣では働いた時間だけ給料が発生します。派遣先で働くことになる時、1年契約、2年契約のように契約期間があることがほとんどであることから、一定期間は安定した給料を確保できることが大きなメリットになるでしょう。
2.「労働法が適用される」
有給休暇の取得や社会保険、福利厚生など労働法に即した権利があるのは大きな強みです。拘束時間は派遣先によって異なりますが平均として1日8時間、休日出勤をした場合も報酬が発生します。
3.「労働の敷居が低い傾向」
業種にもよりますが、派遣で行う仕事は高い専門性がなくても、マニュアルや指示に従って遂行できる業務が多いです。そのため、労働をする敷居が低い傾向があることから、未経験でもチャレンジしてみる価値はあるでしょう。
派遣で働く際のデメリット

派遣には次の三つのデメリットがあります。
1.「どんなに頑張っても給料は変わらない」
請負では成果をドンドン挙げれば収入が増えるのに対して、派遣では1日の作業で他の人の2倍成果を上げたとしても給料は変わりません。ただ、働きぶりを見て年度を超えた際に給料が上がる可能性もありますが、すぐに給料を上げることは難しいでしょう。
2.「請負と比べると低収入」
専門的なスキルを持っていなくてもできる作業が多いため、比較的に給料が少ない傾向があります。しかし、安定した収入を得ることができるのが大きなメリットでしょう。
3.「最大3年の契約期間や不安定な契約」
労働者派遣法により派遣は1つの職場に最大3年しかいられません。長期的に安定した働き方をしたい場合には、派遣は望ましくないかもしれません。また、決められた期間だけ働く契約社員なので、派遣先の経営状況が悪くなる場合、派遣契約を解除される可能性もあるでしょう。
請負と派遣を選ぶ際の判断基準
請負と派遣のどちらを選ぶのが良いのかですが、こちらについては自分のライフプランや能力、スキルと照らし合わせると良いでしょう。
例えば専門知識がある、もしくは専門知識を得たい場合は請負を選ぶと良いかもしれませし、逆に高年収ではなく、自分の生活時間を自由に使いたい場合は派遣が適しているかもしれません。
請負や派遣はどちらにもメリットがあり、デメリットがあります。まずは自己分析を行い、自分に適した仕事方法を見つけることが良いです。
請負や派遣の契約時に
知っておくべき法律
仕事をする際、トラブルは思わぬところで出会ってしまいます。知っておくべき契約時の注意点ついて紹介します。
契約時の注意点

基本的には請負も派遣も契約書をよく読むことがポイントです。特に抑えておきたいのが「作業内容」「給与と労働時間」請負の場合は「就業期間」派遣の場合は「派遣期間」です。
作業内容は口頭で言われていたのと違うパターンが稀にありますので、契約書をきちんと確認しましょう。また、給与や労働時間のチェックも重要です。1日に働く時間帯や時間外労働、休日出勤についての条件も確実に確認しましょう。
派遣期間についても確認が必要です。派遣の場合、2年間の予定でも2,3か月を実質的な使用期間にしている所があるためです。使用期間中に一定の能力がない、もしくは勤務態度が悪い場合は契約延長にならない可能性もありますので注意が必要です。
請負契約を途中で解約することは可能?
請負契約を途中で解約したいとなった場合、契約の解除は可能なのでしょうか。
結論、請負契約の解除は可能ですが、法律で定められた正しい手続きで解除をいなければ問題が発生します。
解除理由に相手の契約違反があったにも関わらず、手続きが正しく行われていなければ、自己都合の解除と扱われ、損害賠償責任を負ってしまうケースや正しい手続きもなく、解除すると、請負契約の効力が消滅せず、請負代金の支払い義務などが生じ、契約上の責任を負担しなればならないケースもあります。
正しい契約の解除手続きを実施するために、まずは弁護士に相談することが一番安全な方法です。自身で対応した場合、不利な状況を自分自身で作ってしまうことも多くあり、大変危険です。
請負契約はトラブルも多く、ルールも複雑なため、早期に弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
請負と派遣の違いについて解説しました。似た言葉ですが、実際には大きな違いがある単語です。今後の時代において仕事の正解はないです。自分を客観的に分析し、自分に合った仕事内容・雇用形態を決めていきましょう。