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化学プラントとは?その役割や種類、現場の仕事内容について解説

化学プラントとは?その役割や種類、現場の仕事内容について解説

2025/9/3 更新

  1. ■目次
    1.そもそも化学プラントとは何?
    2.化学プラントの種類
    ・主な有機化学プラントの種類・特徴
    ・主な無機化学プラントの種類・特徴
    3.化学プラントの主な職種と仕事内容
    ・プラントオペレーターの仕事内容
    ・プラントエンジニアの仕事内容
    4.化学プラントで働くメリット・デメリット
    ・化学プラントで働くメリット
    ・化学プラントで働くデメリット
    5.化学プラントの仕事に役立つ資格
    ・危険物取扱者
    ・毒物劇物取扱責任者
    ・エネルギー管理士
    6.未経験でも化学プラントで働ける?
    7.まとめ

そもそも化学プラントとは何?

  
そもそも化学プラントとは何?

化学プラントとは、さまざまな化学製品を生み出す工場施設や装置の総称で、反応器や分離機、配管、貯蔵タンクといった大規模な設備で構成されているのが特徴です。石油や天然ガス、化学物質などの原料を「反応」「分離」させることで、私たちの生活に欠かせないプラスチックや化学繊維、医薬品などの化学製品を生産し、日本の産業や社会を支える重要な役割を担っています。

多くの化学プラントは24時間体制で稼働しており、エンジニアやオペレーターによる常時監視・操作が不可欠となります。また、可燃性・腐食性・毒性のある原料を大量に扱うため、一歩間違えれば爆発・火災などの大事故や健康被害、環境汚染にもつながりかねません。こうしたことから、現場で働くエンジニアやオペレーターには、プラントを安全に稼働させるための専門スキルと安全管理の徹底が求められます。

化学プラントの種類

  

化学プラントは大きく分けて「有機化学プラント」と「無機化学プラント」の2種類に分類されます。有機化学プラントには、主に「石油化学プラント」「天然ガス化学プラント」「石炭化学プラント」の3種類があり、無機化学プラントには、主に「ソーダ工業プラント」「アンモニア工業プラント」の2種類があります。
以下、それぞれのプラントの特徴を見ていきましょう。

主な有機化学プラントの種類・特徴

主な有機化学プラントの種類・特徴

【石油化学プラント】
石油化学プラントでは、原油の精製・ナフサ分解などのプロセスを経て、エチレンやプロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品を生産します。これらの化学品はさらに加工され、プラスチックや合成繊維、合成ゴム、洗剤、薬品などの原料として利用されます。

【天然ガス化学プラント】
天然ガス化学プラントでは、天然ガスに水蒸気を加えるなどの加工を行い、メタンやメタノール、エタン、エチレンなどの基礎化学品を生産します。これらの化学品は、さまざまな化学製品の原料や合成樹脂、燃料などに利用されます。

【石炭化学プラント】
石炭化学プラントでは、石炭を原料にコークスやコールタール、石炭ガスなどを生産します。これらは製鉄や化学工業、エネルギー源などに利用されます。

主な無機化学プラントの種類・特徴

主な無機化学プラントの種類・特徴

【ソーダ工業プラント】
ソーダ工業プラントでは、塩を電気分解して苛性ソーダや塩素、水素などを生産します。これらは石鹸や洗剤、化学肥料、薬品、ガラスなどの原料として利用されます。

【アンモニア工業プラント】
アンモニア工業プラントでは、窒素を含む無機化合物からアンモニアや硝酸などを生産します。これらは化学肥料やメラミン樹脂、ナイロンなどの原料として利用されます。

化学プラントの主な職種と仕事内容

化学プラントの主な職種としては、「プラントオペレーター」と「プラントエンジニア」の2つがあります。以下、それぞれの職種の仕事内容について解説します。

プラントオペレーターの仕事内容

プラントオペレーターの仕事内容

化学プラントの設備を操作・チェックして、化学製品を安全かつ正確に生産するのがプラントオペレーターの仕事です。オペレーターの仕事は、「計器室(屋内)担当」と「屋外担当」に分かれています。

【計器室担当オペレーターの仕事内容】
中央制御室でコントロールパネルを監視し、さまざまな装置や機器の運転・操作を行います。製造工程でトラブルが発生した場合は、マニュアルに従って原料の供給や温度、圧力などを調整して適切にコントロールします。

【屋外担当オペレーターの仕事内容】
屋外にある大型装置などのパトロール業務が主な仕事です。各装置の稼働状況を確認して異常の早期発見に努めるとともに、トラブル発生時には計器室担当と連携しながら対処することが求められます。また、運転条件の変更に伴う機器の切り替えや、製品の抜き取りチェック(サンプリング)なども行います。

プラントエンジニアの仕事内容

プラントエンジニアの仕事内容

プラントエンジニアは、携わる分野ごとに「化学系」「機械系」「電気系」の3種類に大きく分けられます。

【化学系エンジニアの仕事内容】
原料の特性や製品のスペックを踏まえて、生産プロセスの基本設計・構築・マネジメントなどを行います。生産プロセスを最適化することで、プラントの効率的な運用と安全を支えます。

【機械系エンジニアの仕事内容】
プラント設備の基本設計・詳細設計やオペレーション、保守管理やメンテナンスなどを担当します。また、プラント工事の進捗管理やスケジュール調整などの工事監理も行います。

【電気系エンジニアの仕事内容】
プラント内の電力供給システムや制御システムの設計・構築・保守管理を担当します。稼働に欠かせない電力の供給・制御を担い、プラントの安定的・効率的な運用を支えます。

化学プラントで働くメリット・デメリット

化学プラントで働くメリット

化学プラントで働くメリット

【深夜手当や交替手当などが付く】
24時間稼働する化学プラントでは、夜勤を含む交替制勤務を採用しています。交替制や深夜時間帯(22時~翌5時)の勤務には、交替手当や夜勤手当などが基本給にプラスされるため、日勤のみで働くより高い給与を得ることができます。

【キャリアパスの幅が広い】
プラント業界のキャリアパスとしては、実務経験を積みながらスキルアップし、プロジェクトマネージャーや高度専門職に就くのが一般的です。近年は、新興国を中心とした海外でのプラント建設が増えているため、国内だけでなくグローバルに活躍することもできるでしょう。また、化学プラントで培った専門的な知識・技術を生かして、化学系メーカーの技術者などに転職することも可能です。

化学プラントで働くデメリット

化学プラントで働くデメリット

【生活リズムが不規則になりやすい】
多くの化学プラントが採用する交替制勤務は、休みを挟んで日勤と夜勤を繰り返すため、昼夜が逆転してなかなか寝付けず、睡眠不足や体調不良になる人も多いようです。慣れるまでは体調管理に注意しながら、生活のリズムを崩さないよう心がけることが大切です。

【危険な業務や体力を要する仕事もある】
化学プラントの仕事では大型機器や危険物を扱うため、安全管理を怠ったり、機械の操作を誤ったりするとり、大きなケガや事故につながる恐れがあります。また、屋外担当のオペレーターの場合、広い敷地内を歩き回ってパトロールしたり、配管や機材を設置場所まで運搬したりと、ある程度の体力が求められる仕事もあります。

化学プラントの仕事に役立つ資格

化学プラントで働くために必須となる資格はありませんが、以下のような資格を持っていると仕事の幅が広がり、キャリアアップや就職・転職にも有利となるでしょう。

危険物取扱者

危険物取扱者

危険物取扱者は、消防法で定められた危険物(ガソリン、灯油、アルコール類など)を取り扱う際に必要な国家資格です。この資格は上位から「甲種」「乙種」「丙種」の3区分があり、最上位の甲種はすべての危険物を取り扱うことができます。ガスや石油など火気に関連する成分を扱う化学プラントでは、取得しておくと仕事に役立つでしょう。

毒物劇物取扱責任者

毒物劇物取扱責任者

毒物劇物取扱責任者は、化学物質を含めた毒物・劇物を取り扱うための国家資格です。毒物及び劇物取締法が指定する毒物・劇物を取り扱う事業所は、同資格を持つ責任者を置くことが義務づけられているため、化学プラントでもニーズの高い資格となっています。

エネルギー管理士

エネルギー管理士

国家資格であるエネルギー管理士は、化学プラントの省エネルギー化を促進する役割を担います。一定規模以上の工場では、エネルギー管理士の選任が義務づけられており、環境配慮やコスト削減の重要度が増す中、有資格者の需要は今後さらに高まると予想されます。

未経験でも化学プラントで働ける?

未経験でも化学プラントで働ける?

化学プラントの仕事は専門性の高い技術職となるため、大学や専門学校、高専で理工学系を専攻した人が、新卒で就職するパターンが一般的です。

一方で、プラントの業種や職種によっては、実務経験や学歴(専攻分野)を問わない求人もあり、その場合は入社後の研修や実務指導などを通して、仕事に必要なスキルを習得していきます。とくに、設備の保守管理を担う機械系エンジニアやオペレーターは、未経験からスタートした人も多く活躍しており、他業種・多職種からも比較的転職しやすいでしょう。

まとめ

まとめ

今回は、化学プラントの概要・種類とともに、主な職種や仕事内容、働くメリット・デメリット、持っていると役立つ資格について解説しました。

化学プラントは危険を伴う業務も多くありますが、人々の暮らしや社会を支えるという使命感や、大きなやりがいを持って働ける仕事です。また、働きながら専門スキルを身につけることで、自身の能力や市場価値を高め、さまざまなキャリアパスを描くことができるのも魅力です。未経験OKの求人も多くありますので、化学プラントの仕事に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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