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QC検定とは? 資格の概要や取得のメリット、受験方法について解説

QC検定とは? 資格の概要や取得のメリット、受験方法について解説

2023/4/7 更新

  1. ■目次
    ●QC検定とはどのような資格か
    ・QC検定(品質管理検定)の概要
    ・そもそも品質管理(Quality Control)とは?
    ●製造業の大手企業も注目するQC検定
    ・大手企業がQC検定に注目する背景
    ・製造業における品質管理の重要性
    ●QC検定の各等級のレベルや対象者、難易度
    ・1級(準1級※)のレベルと対象者
    ・2級のレベルと対象者
    ・3級のレベルと対象者
    ・4級のレベルと対象者
    ・各等級の受験者数・合格率
    ・実務で生かせる等級はどこから?
    ●QC検定を取得するメリットとは?
    ・就職・転職で有利となる
    ・上位資格の取得で昇給・昇進が期待できる
    ・品質管理のスキルを段階的に習得できる
    ●QC検定の受験に向けた勉強方法は?
    ・テキストや問題集を使って独学する
    ・通信講座を受講する
    ●QC検定の申し込み方法、資格取得までの流れ
    ・QC検定に申し込む
    ・受験料を支払う
    ・QC検定の試験日程・試験会場は?
    ・試験を受ける
    ・QC検定の合格発表
    ・QC検定の合格証(認定カード)発行
    まとめ

QC検定とはどのような資格か?

QC検定(品質管理検定)の概要

QC検定(品質管理検定)の概要

「品質管理(Quality Control)検定」の略称で知られるQC検定は、製品やサービスの品質管理に関する知識を評価する民間資格です。検定を主催する「日本規格協会」が「日本品質管理学会」の認定を受けて、毎年2回(3月・9月)、全国規模で試験を実施しています。検定は上位から1級~4級のレベルが設定され、合格者には各等級に応じて、品質管理の手法や実践、改善などの知識を有することが認定されます。

ここ近年は、QC検定を従業員に推奨している企業も多く、製造業やサービス業の従事者を中心に受験者数も年々増加。2022年9月に実施された直近の試験は約4万4000人が受験し、2005年の検定開始以来、認定を受けた取得者(合格者)は累計66万人を超えています。

そもそも品質管理(Quality Control)とは?

品質管理(Quality Control)とは、自社の製品を製造したりサービスを構築したりする際に、一定基準の品質を備えているか、不良品や不備がないかを検査・検証し、その品質を保つための業務活動を指します。その主軸となるのが「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つの基本業務です。

  1. ●工程管理……製造工程に必要な人材・生産設備などを管理し、製品の品質を保ちながら効率的に安定生産できる体制を構築する業務

    ●品質検証……製品の原材料や製造工程、完成した製品を検査し、その品質に問題がないことを検証する業務

    ●品質改善……製造の上流~下流で生じるさまざまな問題点を洗い出し、改善策を講じることで不良品の未然防止や再発につなげる業務

たとえば、工場などの製造現場では、各工程の作業や測定・検査などの精度を高めて均一化し、製造プロセスにおいて不良品の発生を防ぐことが基本的な活動となります。また、製品に不良品が含まれていた場合、なぜ問題が発生したのか、どの工程で発生したのかを現場サイドで確認・分析し、早急に再発防止の改善策を講じることが求められます。

製造業の大手企業も注目するQC検定

大手企業がQC検定に注目する背景

大手企業がQC検定に注目する背景

近年は製造業の大手企業を中心に、QC検定を従業員に推奨する動きが広まっており、認定資格の取得を管理職への昇進条件としている企業もあります。品質に対する消費者の意識が年々高まる中、企業として徹底した品質管理の体制を構築するためには、そこで働く従業員の品質管理に対する意識・能力・改善能力が重要となってくるからです。

とくに、工場で多くの従業員が分業する製造現場では、各人の作業や意識にばらつきがあっては高い品質を保つことができません。よって、製造業における品質管理は、工場で製造に携わるスタッフはもちろん、生産設備の保全・メンテナンスや、製品の設計・開発に携わるエンジニアなど、すべての従業員が高い品質意識をもって、日々の業務に取り組むことが不可欠となります。
そこで、現場全体の品質意識を高めるために活用されているのがQC検定です。検定の受検を機会に、従業員一人ひとりが品質管理の知識を養い、合格すればそのスキルが評価されますので、個々のモチベーションや現場の対応力もアップ。企業側も各人の品質管理能力を見極めて人材を配属し、品質不良によるトラブルやリスクを低減できるというメリットがあります。

さらに、品質管理の手法やアプローチは、製造業以外のさまざまな業種・職種(情報通信、医療、開発、事務、営業、各種サービス、生産技術など)でも活用できるため、組織力の強化や社内教育の一環として、QC検定を推奨する企業は今後もますます増えていくでしょう。

製造業における品質管理の重要性

製造業における品質管理の重要性

いまや品質管理の手法は、製造業をはじめとする多くの企業で取り入れられ、確かな品質の製品やサービスを安定して提供し、消費者や社会のニーズに応えるための重要な企業活動に位置づけられています。

なかでも製造業においては、人手不足や技術継承問題などの影響による品質低下が不安視されており、品質管理の不備が企業経営を揺るがすことにもなりかねません。万一、製造現場で不良品が見落とされ、市場に流通して問題が発生してしまうと、リコールや回収などに伴う損失だけでなく、これまで培ってきた顧客からの支持や、社会的信頼も一気に失うことになるのです。そうしたリスクを避けるためにも、自社製品の品質を保つ品質管理への取り組みは、製造業を中心にますます重要度を増しており、その基準も年々厳しくなっています。

とくに、自動車や食品、医療関連などのメーカーでは、製品の品質不良が重大事故や健康被害にもつながりかねないため、従業員一人ひとりにも品質に対する高い意識と、日々の業務管理の徹底が求められるのです。

QC検定の各等級のレベルや対象者、難易度

単に品質管理といっても、その業務において「どのポジションで、どのような問題を解決するのか」によって、求められる知識の範囲や量、深度などが異なります。そのため、QC検定では品質管理や改善のレベルに応じて、上位から1級(準1級)・2級・3級・4級の等級が設けられています。

いずれの等級も受験資格(実務経験や年齢、職種など)の制限はなく、誰でも・どの等級からでも受験することができます。とはいえ、等級によって問われる知識のレベルや難易度も異なりますので、受験する際には自分の能力やポジションに適した等級を選ぶことが重要です。
では、各等級のレベルと受験に適した対象者とともに、直近試験の受験者数や合格率を見ていきましょう。

1級(準1級※)のレベルと対象者

組織内で発生するさまざまな問題に対して、品質管理の側面からどのようにすれば解決・改善できるかを把握しており、具体的な解決手段を提案・主導していくことが期待されるレベルです。部門横断の品質管理解決をリードする品質技術者やスタッフ、企業内で品質管理全般に関わる指導的立場の管理職などが対象となります。

※1級には1次試験と2次試験があり、1次試験のみ合格基準に達していれば準1級として認定されます

2級のレベルと対象者

職場で発生する品質に関わる問題の多くを、「QC七つ道具・新 QC七つ道具※」などの手法を活用して自ら解決・改善し、基本的な品質管理においても、適切な活動が自立的に実施できるレベルです。自部門の品質問題解決をリードするスタッフ、品質に関わる部署(品質管理、品質保証、研究開発、生産、技術など)の管理職やスタッフが対象となります。

※QC七つ道具/現場のデータを統計的な観点から分析・評価・可視化する7種類のフレームワーク(パレード図、特性要因図、グラフ、チェックシート、ヒストグラム、管理図、散布図)

※新QC七つ道具/品質管理の分析・改善をサポートする7種類のフレームワーク(親和図法・連関図法・系統図法・マトリックス図法・PDPC法・アローダイヤグラム・マトリックスデータ解析法)

3級のレベルと対象者

「QC七つ道具」の手法や品質管理の実践方法を知識として理解しており、必要に応じて支援・指導を受けながら、基本的な管理・改善活動を実施できるレベルです。業種・業態に関わらず、職場の問題解決を行う全社員(事務、営業、サービス、技術を含むすべてのスタッフ)や、品質管理について学ぶ大学生・高校生・高専生などが対象となります。

4級のレベルと対象者

組織で仕事をするにあたって、社会人として最低限知っておくべき仕事の進め方や、企業の品質管理・改善活動に関する基本的な用語の知識を有しているレベルです。これから企業で働く新入社員や派遣社員・社員外従業員、初めて品質管理を学ぶ大学生・高校生・高専生などが対象となります。

各等級の受験者数・合格率

直近(2022年3月)に実施されたQC検定の各等級の受験者数・合格率は以下の通りです。やはり、等級が上がるほど難易度も高くなっており、とくに最上位の1級は合格率が約10%の超難関となっています。

  1. ●1級……受験者数705人、合格率10.35% ●準1級……合格率19.29% ●2級……受験者数8843人、合格率25.23% ●3級……受験者数26633人、合格率54.39% ●4級……受験者数7926人、合格率85.89%

実務で生かせる等級はどこから?

実務で生かせる等級はどこから?

品質管理の実務経験者から高校生まで、幅広い層を対象にしたQC検定ですが、各等級のレベルや対象者を見てもわかる通り、各人のポジションや携わる業務、能力によって、取得に適した等級は異なってきます。
4級は学生や初心者向けのレベルとなるため、実際に品質に関わる業務で生かせるのは3級以上となりますが、品質管理の知識がない人は4級を取得することで企業活動への理解が深まり、新卒入社や転職の際にも強みとなるでしょう。

QC検定を取得するメリットとは?

就職・転職で有利となる

就職・転職で有利となる

QC検定の認定資格は、「品質管理のスキルが、等級の水準にあるという証明」になります。組織活動に欠かせない品質管理の知識は、製造業はもちろん、あらゆる業種の企業・職種で活用できるため、取得することで就職・転職先の選択肢が広がり、採用選考においてもより有利となるでしょう。

上位資格の取得で昇給・昇進が期待できる

上位資格の取得で昇給・昇進が期待できる

QC検定のなかでも1級・2級の上位資格は専門性が高いため、キャリアアップによる昇給や待遇面の向上も期待できます。とくに製造業においては、QC検定の取得が管理職への昇進条件となっている企業もあるので、上位資格を取得しておけば、昇進の可能性もより高くなるでしょう。

品質管理のスキルを段階的に習得できる

品質管理のスキルを段階的に習得できる

QC検定はレベル別に等級が設けられているため、初心者でも品質管理の知識をゼロから習得することができます。また、QC検定の勉強で得た知識は実用性のあるスキルなので、4級から上位の等級へと継続して勉強・受験することで、より専門的・実践的な品質管理のスキルを段階的に習得することができます。

QC検定の受験に向けた勉強方法は?

テキストや問題集を使って独学する

テキストや問題集を使って独学する

QC検定関連の書籍は、各級に対応したテキストや過去問(演習問題)などが多く出版されています。テキストは単元ごとにポイントがまとめられ、順を追って段階的に学習できるようになっていますので、本の内容に沿って1人で勉強を進めることができます。

テキストで学習する際には、まずすべての単元に目を通し、全体の内容を把握しておくとスムーズです。途中でわからない部分が出てきたら、すべてを読み終えてから戻って、もう一度学習すると頭に入りやすくなります。
テキストである程度学習したら、次は過去問にチャレンジします。一度問題を解いただけではポイントをスルーしがちなので、同じ問題を何度も繰り返して解き、出題の傾向や形式をしっかりとつかむことが重要です。

※QC検定4級の無料テキストや各級の過去問・学習アプリ(有料)などは、検定を主催する「日本規格協会」の公式サイトで紹介していますので、以下からチェックしてみてください

4級テキスト | 日本規格協会 JSA Group Webdesk

品質管理検定(QC検定)関連書籍 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk

通信講座を受講する

通信講座を受講する

また、独学で合格する自信がない、1人で勉強を進めるのが不安……という人は、QC検定受験者に向けた通信講座(セミナー)を受講するのがおすすめです。
検定を主催する「日本規格協会」をはじめ、「日本技能教育開発センター」「全日本情報学習振興協会」などの団体でも、QC検定受験に特化したセミナーや通信講座を実施していますので、以下からチェックしてみてください。

セミナー・説明会・国際標準化セミナー・SQ大会 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk

JTEX|ものづくり、技能教育の通信講座なら職業訓練法人日本技能教育開発センター

全日本情報学習振興協会、個人情報保護、オンライン試験システムの、全情協 (joho-gakushu.or.jp)

QC検定の申し込み方法、資格取得までの流れ

QC検定の申し込みから資格取得までの流れは、以下の通りとなります。

QC検定に申し込む

申し込み期間中に「日本規格協会」公式サイトからインターネット経由で申し込みできます。また、コンビニに設置されている端末からも申し込みが可能です。

受験料を支払う

インターネット申し込みの場合はクレジットカード決済、コンビニ端末での申し込みならレジで支払います。各級の受験料(税込)は以下の通りです。

  1. ●1級/1万1000円 ●2級/6380円 ●3級/5170円 ●4級/3960円

QC検定の試験日程・試験会場は?

QC検定の試験は、基本的に毎年3月・9月の日曜日に実施されます。具体的な日程は試験の数ヵ月前に「日本規格協会」公式サイトで発表されます。
また、QC検定の受験地(都道府県)は選べますが、試験会場の指定はできません。具体的な試験会場は、郵送する受験票に記載して通知されます。

試験を受ける

試験会場に受験票と筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆、シャープペンシル、消しゴム)を持参し、指示に従って受験します。各級の試験時間と回答方式は以下の通りです。

  1. ●1級……マークシート式(90分)、論述(30分)
    ●2・3・4級……マークシート式(90分)

QC検定の合格発表

試験から約1ヵ月後、「日本規格協会」公式サイトにて、合格者の受検番号と合格証番号が発表されます。

QC検定の合格証(認定カード)発行

試験の合格者には、希望に応じて写真入りの認定カードが有償(2200円・税込)で発行されます。カード発行の受け付けは、合格発表から約2ヵ月間の期間限定となります。

※QC検定の試験要項に関する詳しい情報は、以下をご覧ください。
試験要項 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk

まとめ

ご紹介したように、いまや品質管理の手法は業種や職種を問わず、組織で仕事をする上で欠かせない重要なスキルとなっています。よって、品質管理部門の管理職や社員のみならず、社会人の知識を養う上でも、QC検定を受検する価値は十分にあるでしょう。

もちろん、製造業への就職・転職を目指している方も、ぜひこの機会にQC検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。受験を通して学び得たスキルは、企業で働く社会人としても、将来のキャリアアップや活躍のフィールドを拡げる上でも、きっと役立つに違いありません。